韻を踏むお茶目な英語表現・英単語30+

突然ですが、以下の英文は英語圏で非常に有名なポエムの一節です。

The rose is red, the violet’s blue,
sugar is sweet, and so are you.

薔薇は赤く、すみれは青い。
砂糖は甘く、そしてあなたも。

この詩では、blue [bl]と you [j] の部分で韻を踏んでいるため、素敵な響きを持つ詩となっています。ラップの歌詞でもそうですが、英語ではこのように韻を踏むことで「心地のよいリズム」が生まれると考えられており、そのため文だけでなく単語やフレーズでも韻を踏んだ表現が英語には沢山あります(例:”Okey Dokey”)。そこでこの記事では、そのような「韻を踏む単語、フレーズ」(reduplicated phrase) を出来るだけ多く紹介したいと思います。韻を踏んだフレーズはどこか小慣れていてお茶目に聞こえるので、友人との会話等で是非使ってみてください。ただし、使いすぎると駄洒落と一緒でオジサンっぽく聞こえるので、ほどほどに。

* ちなみに、ネット上には上の詩の “The rose is red, the violet’s blue” に続く文を作る大喜利 (meme, [miːm]と読む) が無数に存在しており、その内容は「あるあるネタ」から「下ネタ」まで様々です。例えば、”Roses are red, violets are blue. There’s always someone, who’s better than you.” (薔薇は赤く、すみれは青い。いつだってそこには、あなたより優れた人がいる。)とか、 他には “Roses are red, violets are red. Everything’s red. Holy shit the garden’s on fire” (薔薇は赤く、すみれも赤い。全てが赤い。うわヤベェ、庭が燃えている!) のような、韻も踏んでおらず原型すらないものもあります。笑

目次

easy-peasy

基本的には easy と同じ意味で、「楽勝」「お茶の子さいさい 」「余裕のよっちゃん(死語)」のようなニュアンスを持つフレーズです。例えば、駐車場でさくっと車の駐車をし終わった時にこのフレーズを友達が言っているのを聞いたことがあります。これをさらに進化?させた “easy peasy lemon squeezy”という表現もあり、意味はほぼ同じです(lemon squeezy は「lemon (レモン) squeezy (搾れる) 」で、特に関係ないです)。これは、イギリスの洗剤ブランドSqezyがレモンの香りがする洗剤のCM中に最初に使った言葉だそうで、確かに聞くと耳に残りそうですね。

Okey Dokey/Okie Dokie/Oki Doki

どれも基本的にはOKと同じ意味ですが、「りょ!」とか「お安い御用!(古)」「お任せあれ!(古)」のような軽い雰囲気になります。

loosey-goosey

基本的には “loose” (緩い)を強調した単語で、「ガバガバの」という意味です。例えば、コロナ禍における自国のロックダウンを “loosey-goosey lockdown (ガバガバのロックダウン)” と言って政府を批判している人をTwitter上で見かけました。

holy moly

「マジか!」や「なんてこった!」のように驚いた時や感嘆した時に使う表現で、”Oh My God” の類義語です。

lovey-dovey

「(特に公共の場で)ラブラブな、いちゃついてる」という、ややネガティブな意味の単語です。例えば、 “a lovey-dovey couple”で「ベタベタ、ラブラブなカップル」です。

willy-nilly

意味が2つあり、1. 「いやが応でも、好むと好まざるとに関わらず」, 2. 「単なる思いつきで、適当に」です。

(例)

“He has to do it willy-nilly” = 「いやが応でも彼はそれをしなければならない。」

“I didn’t invite them willy-nilly” =「 単なる思いつきで彼らを招待したんじゃないよ」

ちなみに、この単語の語源は “will ye, nill ye”というフレーズだそうです (Merriam-Webster辞書)。この “nill” は “unwilling (好まない、したくない)”という意味の古い英単語、そして “will” はここでは未来形ではなく意志を表す用法で、直訳すると 「あなた (ye) がするつもりでも、したくなくても」となり、willy-nillyの一つ目の意味と同じになります。他にも、シェイクスピアの作品に”will you, nill you, I will marry you.”という一文があり、同様に「あなたが好んでも好まなくても、私はあなたと結婚する」という意味になります。

oopsy daisy

発音は[ʊpsi deɪzi]. 子供がコケたり、木など高いところから落ちた時に「うわぁ」みたいに発するフレーズです (“oops-a-daisy”, “whoopsie-daisy”とも)。映画 “Notting Hill (ノッティングヒルの恋人)” で、主人公の男性 (William Thacker) が登っていた木から落ちた時にこのフレーズをつい口にして、そばにいた女性 (Anna Scott) が「え、ちょっと今なんて言った?笑。そんなフレーズ、大昔に言われていたものだし、その当時も小っちゃい女の子しか言ってなかったよ?」と言って、からかうシーンがあります。この映画は1999年に公開されたものなので、今ではもっと古い表現になっていることでしょう。ただ、コケた時に冗談っぽく言ってみると、この映画のシーンのようにウケるかもしれませんね。

hocus-pocus

「でたらめ」「(人を騙すための)まやかし」「インチキ」という意味の単語です(間のハイフンはなくてもOK)

Some people say that acupuncture is just hocus-pocus and a placebo.

「鍼治療は単なるまやかしでプラシーボ効果だ、という人もいる」

これと似た単語に、snake oil (蛇の油)というイディオムがあり、これも「インチキ」という意味です。

参考記事:「冷たい七面鳥」, 「蛇の油」: 直訳出来ない変な英語イディオム12

namby-pamby

「気弱な」「弱々しい」「感傷的な」のような意味を持つ単語で、一言で言うと「女々しい」ですかね。次に紹介する wishy-washy とニュアンスが似ています。

He was too namby-pamby to look her in the eyes and say “I want to break up with you”.
彼は気弱だったため、彼女の目を見て「君と別れたい」なんて言えなかった。

wishy-washy

「優柔不断な、気弱で決めれられない、ウジウジした」というネガティブな意味の単語です。indecicive (“決断力に欠ける”)と比べると、ナヨナヨ、ウジウジしたイメージが強いです(日本語でも「ナヨナヨ」とか「ウジウジ」とリズムがwishy-washyと似ていて面白いですね)。元々は、スープなどの味が薄い時に使われていたようです (washy = too watery = 水っぽすぎる)。人だけでなく、政府などの動きを批判したりする時にも使います。

If you want to break up with your girlfriend, don’t be wishy-washy about it.
もし彼女と別れたいなら、ウジウジしていてはだめだ。

The government has been wishy-washy on COVID-19 response.
コロナ対策に関して政府はずっと曖昧で煮え切らない態度だ。

dilly-dally

「決めれずにグズグズ、ダラダラして時間を無駄にする」と言う意味の動詞で、ケンブリッジ辞書によるとやや時代遅れ (old-fashioned)の単語 だそうです (それでも、ニュース記事とかでたまに使われています)。ほぼ同じ意味の単語に “shilly-shally”という単語もありますGoogle検索のヒット数によると “dilly-dally” の方がメジャーなようです。

After much dilly-dallying, he finally decided to apply for the job.

沢山グズグズした後に、彼はとうとうその仕事に応募することを決心した。

roly-poly

「背が低くて丸い」、つまり「ずんぐりした、コロコロした」「太っちょ」という意味の単語です(星のカービィとかまさにroly-poly ですね)。roly は”roll (巻物、ロール) + y” で出来た単語で、polyは韻を踏んでいるだけです。ずんぐりした動物を表すのによく使います。

silly billy

「おバカさん」と言う意味の単語で、a silly person  (おバカ、マヌケな人)を和らげた表現です (silly という単語自体、stupidやfoolishよりも軽い意味です)。 “Don’t be a silly billy! (「おバカなことはやめなさい!」)” のように、子供相手によく使うようです。

nit-wit (or nitwit)

「馬鹿者、愚か者」という意味の単語です。語源を遡ると、 nitは否定を表す語で “wit (知力) が全くない” という意味から生まれたそうです。

yummy mummy

直訳すると「美味しいお母さん」ですが、意味は「魅力的 (セクシー)で若い子持ち女性」という意味のスラングです笑。綴りもリズムも面白い単語ですね。

goody goody

「いい子ちゃん」とか「おべっかを使う人」、「常に正しいことしかしない人」というネガティブな意味の単語(名詞または形容詞)です。例えば、教室の一番前の席でいつも手をあげている人のイメージです (そういう人を揶揄する “teacher’s pet (先生のペット)” という単語もあります)。なお、”goody goody” の代わりに “goody-two-shoes”とも言います。

airy-fairy

airy (空気のような) + fairy (妖精のような、架空の)で、「絵空事のような」「現実離れした」という意味のイギリス英語の単語です。主に、現実味のない話を皮肉っぽく批判する時に使います。daydream 「空想」と意味が近いです。

They dismissed our ideas as “airy-fairy”.

彼らは私達の考えを「絵空事」と一蹴した。

highty-tighty/hoity-toity

「人を見下すような」「お高くとまった」「偉そうな」を皮肉っぽく言う単語です。類義語に “condescending (見下すような、上から目線の)” や “snobbish (お高くとまった)” といった単語があります。

I cannot stand his hoity-toity attitude.

彼のお高くとまった態度に私はもう耐えられない。

pitter-patter

「(小雨のように)連続して鳴る軽い音」を表す擬態語で、「ドタドタ」や「パラパラ」に近いです。例えば、”pitter-patter of raindrops” で「雨粒のパラパラという音」、”pitter-patter of tiny feet” で 「小さな足で(床の上を駆け回って)鳴らすドタドタという音」(ちなみに、これは比喩的に「赤ちゃんの訪れ」という意味にもなります)。なお、patter は 動詞で「(雨など)パタパタと音を立てる」という意味になります

She might welcome the pitter patter of tiny feet in a week.

あと一週間で、(赤ちゃんの)小さな足で鳴らすドタドタという音が聞けるかもしれません(=あと一週間で生まれるかもしれません)。

mishmash/hotchpotch (or hodgepodge)

“hotchpotch/hodgepodge”と “mishmash” は「ぐちゃぐちゃに混ざった物」、「闇鍋状態」という意味の単語(名詞)です。mishmashのmash は「すりつぶす」という意味で、マッシュドポテト (mashed potatos) の「マッシュ」です。ちなみに、昔やっていたテレビ番組「ハッチポッチステーション」のタイトルは”hotchpotch” に由来するそうです(いろんなネタの寄せ集め、という意味で)。

My wardrobe is a mishmash/hodgepodge of clothes from different seasons.

私の衣装戸棚は季節が異なる服でグチャグチャだ。

higgledy-piggledy

“higgledy-piggledy” [hɪɡ.əl.diˈ pɪɡ.əl.di] は、mishmash や hodgepodge と同様に色々混ざった物に対して使いますが、こちらは名詞ではなく形容詞または副詞 (グチャグチャな、グチャグチャに)です。

I put everything, higgledy-piggledy, into the boxes.

箱に全てグチャグチャに詰め込んだ。

My clothes are all higgledy-piggledy in my wardrobe.

私の服は全てグチャグチャにな状態で衣装戸棚に入っている。

topsy-turvy

「めちゃくちゃな、真っ逆さまにひっくり返った、破茶滅茶な。混乱した」という意味の単語です(形容詞、副詞)。類義語は “upside-down” (上下ひっくり返った、混乱した)
The year 2020 was such a topsy-turvy year.
2020年はとんだ破茶滅茶な年だった
The coronavirus pandemic has turned our life upside-down.
コロナウイルスは我々の生活を真っ逆さまにひっくり返した (大混乱に陥れた)。

helter-skelter/pell-mell

“helter-skelter” と “pell-mell” は「大急ぎで、しっちゃかめっちゃかに」という意味の単語です (helter-skelterの方が使用頻度が高い)。イメージで言うと、「蜘蛛の子を散らすよう」に近いかもしれません。

The fire caused panic and people ran helter-skelter/pell-mell.

その火事はパニックを引き起こして、人々は大急ぎでバラバラの方向に走った。

mumbo jumbo

「意味不明の言葉」、特に「徒らに複雑に聞こえるが、大して意味のない言葉」という意味です(”legal mumbo jumbo” = 「意味不明な法律用語」)。類義語に”jargon”(普通の人には理解できない専門用語)があります。

I read this report and it was all mumbo jumbo.

このレポートを読んだけど、完全に意味不明な言葉が並んでいた。

chit-chat

「世間話、雑談」を意味する単語で、”small talk”と同じ意味です。名詞または動詞として使えます。

We were just having a chit-chat. / We were just chit-chatting.

私達は雑談してただけだよ。

flip-flop

「ビーチサンダル」という意味の名詞です(単なるサンダルは “sandal” です)。ビーサンで歩いている時に、かかとで鳴る音が単語の由来だそうです(いわゆる擬音語)。ちなみに、オーストラリアでは flip-flopではなくて “thong” という単語が代わりに使われるのですが、thong はアメリカ、イギリスでは “G-string” (Tバック) という意味になるので、ややこしいですね。

fuddy-duddy

「保守的で考えが古く、つまらない、ノリの悪い」というネガティブな単語です。女は必ず〇〇歳までに結婚すべきだ、とか思っている人とかがそうですね。

It may sound fuddy-duddy, but I encourage you not to drink and not to smoke.

保守的でノリが悪いように聞こえるかもしれないけど、お酒とタバコはしない方がいいよ。

arty-farty/artsy-fartsy

「芸術の通を気取るような(人、作品)」という、気取っている芸術の通の人や芸術そのもの(「アート」と称した意味不明な絵や映画など)を軽蔑する単語(形容詞)です。成り立ちは、arty (芸術(art)の) + farty (オナラ(fart)のような) です。

itsy bitsy/teeny-weeny (or teenie-weenie)

“itsy bitsy”と”teeny-weeny”、どちらも 「ちっちゃな」という意味の別々の単語です。この2つの単語は、次の歌で覚えるのがオススメです(ちなみに、この歌のサビの部分 (itsy bitsy …) があだち充の野球漫画「H2」の26巻48ページに何故か唐突に出てきます)。

She was afraid to come out of the locker
彼女はロッカーから出るのをためらっていた
She was as nervous as she could be
彼女は全然落ち着かなかった
She was afraid to come out of the locker
彼女はロッカーから出るのをためらっていた
She was afraid that somebody would see
彼女は誰かが見るのを恐れていた
(Two, three, four, tell the people what she wore)
(2、3、4、さあ彼女が何を着ていたか言ってごらん?)
It was an itsy bitsy teenie weenie yellow polka-dot bikini
(そ、れ、は、ちっちゃなちっちゃな黄色の水玉模様のビキニだった)
That she wore for the first time today
(そしてそれを着るのは今日が初めてだった)
初めて着た水着が想像以上に小さくて、女の子が更衣室から出るのをためらっていた、という歌詞です笑。この歌 (“Itsy Bitsy Teenie Weenie Yellow Polkadot Bikini”)は 1960年にリリースされた昔からある曲で、YouTubeにもアップされています(以下)。

最後に韻を踏むフレーズを紹介します。

No pain, no gain

「痛みを伴わないと、何も得ることは出来ない」と言う諺のようなフレーズです。

A friend in need is a friend indeed

「あなたが困っているときに助けてくれるような友達が、真の友達だ」(”a friend (when you’re in need) is a friend indeed”) という意味の、諺のような表現です。indeed、確かにその通りですね。

finders keepers losers weepers

直訳すると「見つけた人が保持する人で、失くした人は泣く人」で、意訳すると「見つけたもん勝ちだよ、失くした人はシクシク泣いてな」です。厚かましい子供が「拾ったんだからもうこれは俺のものだ」と主張する時に言うフレージです(「ドラえもん」のジャイアンのセリフ「お前の物は俺の物、俺の物は俺の物」と似ていますね)。有名なアメリカのシットコム「フレンズ」にも出てくるフレーズです。

Good night, sleep tight

「おやすみ、ぐっすりお眠り」というフレーズです (ここの “tight” は「しっかりと」という意味の副詞ですが、韻を踏むことがメインの役割でしょう)。親が子供を寝かしつける時に言う有名なフレーズだそうです。

You snooze, you lose

直訳は「うたた寝をしたら負けるよ」で、「ボーとしていたら、失敗するよ、貴重な機会を逃すよ」という意味になります。

turn the frown upside down

「その眉をひそめた顔を、逆さにひっくり返そう(そして笑顔になろう)」という意味で、人を励ます時のフレーズです。不満顔 「:(」 をひっくり返すと笑顔「 :)」 になることから。大人が子供によく使うフレーズだそうです。

Other Phrases

  • Keen beans
  • eager-beaver
  • awesome possum
  • by hook or by crook
  • Be humble, or you’ll stumble (If you stay humble, you won’t stumble)
  • tit for tat
  • brain drain
  • My way or the highway
  • yea or nay
  • bee’s knees
  • cheers and jeers
  • From hero to zero
  • boom boom
  • Riff-raff
  • blame game
  • lean and mean
  • hanky panky
  • handy dandy
  • fun in the sun/fun and the sun
  • pump and dump
  • doom and gloom
  • pash rash
  • Old but gold
  • Never fear
  • fair and square
  • huff and puff
  • super-duper
  • tittle-tattle
  • wear and tear
  • Sneak peek
  • Humpty Dumpty
  • publish or perish
  • make or break
  • chill pill
  • fender bender
  • dress to impress
  • wine and dine
  • as happy as Larry
  • horses for courses
  • Snail mail
  • hustle and bustle
  • Liar, liar, pants on fire!
  • have ants in one’s pants
  • nolens volens
  • part and parcel
  • he who smelt it, dealt it
  • even Steven
  • No way, Jose (“Hosey” (ホウゼイ)と発音。 他の例: San Jose =  sæn hoʊˈzeɪ (サンホウゼイ)、日本語では「サンノゼ」)

最後の even Steven と No way, Jose は以下の記事で解説しています。

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