大学生の洋楽紹介(No.2) Audioslave「Audioslave」
・クリス・コーネルの自殺
・Arctic Monkeysの新譜
・マイケミカルロマンスの突然の復活
僕の高校時代の洋楽三大事件である。どの出来事も衝撃を受けた(色んな意味で)。どれもこのブログに綴ろうと思っているが、今回はクリス・コーネルについてだ。
忘れはしない、2017年5月18日。クリス・コーネルが自殺した。そのニュースは当時の僕にかなりでかい影響を与えた。高校1年生の僕にとってクリス・コーネルはヒーロー的な存在だった。自分の鬱が始まり悩まされていた中、SoundgardenそしてAudioslaveに出会った。鬱と戦っているクリス・コーネルに強く惹かれた。そして勝手に自分と重ね合わせていた。
「クリス・コーネルでもこの世を生きていくことを諦めるのか。」
彼の訃報を聞いて、僕はこの世に絶望した。本当にショックだった。
Audioslave「Audioslave」
クリス・コーネルを初めて知ったのはSoundgardenなのだが、個人的に好きなのはAudioslaveでの活動である。Rage Against The Machineの楽器隊とクリスが組んだこのスーパーバンドによる作品は、高校時代のヘビーローテーションの一つである。
骨太で独創的な演奏に、情熱的なボーカルが乗っかり出来上がったデビュー作は、さすがの完成度を誇る。トム・モレロのギタープレイはRATMの頃ほどの派手さはないが、トリックなプレイは健在で、聴いていてとても楽しい。「Like a Stone」のソロをギターで弾きたくてメルカリでできるだけ安い Whammyを買ったのを思い出す。
このアルバムには外れ曲がない。そしていくらヘビーローテーションしても飽きない。
トムが響かすヘリコプターのようなサウンドでこのアルバムは始まる。少し経てばクリスの男前なかっちょいいボーカルが聴こえてくる。クリスのすんげえシャウトに惚れ惚れしていたら一曲目なんてすぐに終わってしまう。もう一度味わいたくて戻るボタンを押したい気持ちがわかるが、ここはちゃんと聴こうや。
それ以降の曲もトムのギタープレイかクリスのボーカルかに集中しているかであっという間にアルバムは終わってしまう。同じような音色で全く異なる。どの曲もトムのギタープレイが素晴らしく、楽曲の良いフックとなっている。聴けば、トムのことを「やっぱこいつ天才じゃん」と思うだろう。
このスーパーバンドは本当に「スーパー」な音を奏でる。何年聴いても、何回聴いても褪せないこの音色の元にあるのはクリスの不安定な心の危ういパワーなのかトムの持突き動かされるような情熱なのだろうか。
残念ながら今の日本の若者のメインシーンにこのようなバンドはいない。現れないだろうとも思ってしまう。でもいつかはこのバンドのような情熱的なサウンドを全面に押し出した奴らが出てきてくれることを願っている。10年くらいして骨太&男前ボーカルがリバイバルするのならめちゃくちゃ嬉しい。
サウンド面だけでなくて、歌詞にも注目してみる。クリスの書く歌詞は非常に味わい深い。
In your house, I long to be
Room by room, patiently
I'll wait for you there like a stone
I'll wait for you there alone
(Like a Stoneより)
岩のように待ち続ける。非常に宗教的というか内面的な歌詞は、僕にはとても響くものがある。クリスの書く歌詞はとても好きだ。なんかこう、僕みたいな精神的弱者の気持ちをよくわかっているような気がする。
That I'm lost, behind
The words I'll never find
And I'm left behind
As the seasons roll on by, yeah
(クリスのソロ曲 Seasonsより)
「道に迷っている
言葉は見つからず
季節に取り残されている
季節は巡るよ。巡るんだよ」
好きだ!!!クリス!!!お前の曲が!!!お前の歌詞が好きだ!!!歌い方は大好きだ!!!男前な歌い方も、顔面も大好きだ!!!僕にとってクリス・コーネルは、オールタイムベストボーカリストTop10に絶対入るシンガーなんだよ!!!
クリス。待ち続けるよ。いつまでも。また歌声を響かせておくれ、天国からでいいから。