「家も、寺も、街も」迫る黒い煙 車で避難したラハイナの日本人僧侶
高室杏子
2023年8月12日19時00分
米ハワイ州のマウイ島でおきた大規模な山火事では、かつてハワイ王国の首都でもあった島西部の町、ラハイナに甚大な被害が出た。自宅に火の手が迫る中、車で避難した日本人僧侶が12日、当時の様子を取材に明かした。
浄土真宗本願寺派のラハイナ本願寺の僧侶、広中愛さん(46)は「車と身体以外すべて燃えてしまった」と話す。
寺はラハイナ南部の閑静な住宅が立ち並ぶ一角にあった。現地時間の8日未明、境内にある自宅で寝ていると、窓にものが当たる音で目が覚めた。強風が吹き荒れ、未明から停電が続いていた。
強風は日中も続き、家の窓ガラスが割れ、ドアが壊れる被害が出た。近くでは街路樹のパインツリーが倒れて道を塞いだ。あちこちで倒木が起きていると妻から聞いた。
■草むらから煙り、破裂音も
残り636文字
続きを読むにはこちらPR