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自然と文明のつながりを表現したアート空間 ボルボとチームラボがコラボ

ボルボXC40を使った「チームラボとボルボによるアート空間」

チームラボが、「ボルボ チームラボ かみさまがすまう森」なるアート展を2021年7月16日(金)から11月7日(日)にかけて開催。舞台は、九州・佐賀の御船山楽園。江戸時代に作られた、50万平米の庭園だ。

エンジニア、建築家、デザイナーなど、さまざまな才能を擁し、全国各地のアート展で私たちを楽しませてくれているチームラボ。私が彼らの作品を好きなのは、娯楽性が一番で、それから、ウィットに富んだストーリー性が続く。なので、広い庭園でどんな作品を見せてくれるかが楽しみだった。

前に立つ人に反応して灯(とも)った光が近くのランプ(ムラーノグラス)に“伝播”していく「森の中の、呼応するランプの森とスパイラル-ワンストローク」
前に立つ人に反応して灯(とも)った光が近くのランプ(ムラーノグラス)に“伝播”していく「森の中の、呼応するランプの森とスパイラル-ワンストローク」

武雄(たけお)温泉「御船山(みふねやま)楽園」は1845年に当時の佐賀藩武雄領主によって、池泉回遊式庭園として造られた。今回、「デジタルテクノロジーによって『自然が自然のままアートになる』というコンセプト(チームラボによると『Digitized Nature』)によって、あたらしい魅力を与えられている。このアート展は、21年で7回めを迎えた。

御船山楽園とその周辺には、自然の驚異を感じさせるものが多い。樹齢3000年を超える大楠をはじめ、高さ約2.4メートルの巨岩を根でもって割った大きな「岩割りもみじ」、大むかし御船山から転がり落ちてきたのではと言われる20個の大きな岩群(いわむら)といったぐあい。

「グラフィティネイチャー 廃墟の湯屋に住む生き物たち、レッドリスト」。絶滅危惧種生物をモチーフにしたデジタルインスタレーションで、生物のようすは見飽きない
「グラフィティネイチャー 廃墟の湯屋に住む生き物たち、レッドリスト」。絶滅危惧種生物をモチーフにしたデジタルインスタレーションで、生物のようすは見飽きない

チームラボは、照明や映像のプロジェクションによって、それらを劇的に見せてくれる。加えて、池の水面に鯉(コイ)の群れを表す映像を投影する作品も。見ているうちに、鯉の動きが速くなり、最終的には、1匹ずつの軌跡が線となって、水面に弧の模様を描く。そこが本当の池とは思えない。

池と同じように、庭園の特長であるのが、久留米つつじの群生。その中を歩いていると、人が近づくことで、つつじにあたる照明がコントロールされ、植え込みが動物のような生命体としてざわざわと波打つように見える。

「小舟と共に踊る鯉によって描かれる水面のドローイング」
「小舟と共に踊る鯉によって描かれる水面のドローイング」

隣接する御船山楽園ホテルももう一つの舞台。使われなくなった浴場や、改装中に発見された地下道などを利用して、来場者の動きなどに呼応した、いわゆるインタラクティブな作品が堪能できるのだ。

レセプション奥には、「チームラボとボルボによるアート空間」。ここでは、SUV「ボルボXC40」が建物の壁を壊して中に入ってきたような表現がみられる(トップ写真)。

隣に、空間に立体的に書かれたというコンセプトによるディスプレー作品が配されている。画面内で「生」の字がゆっくり回転しているうちに、雪が降ったり、春が来て字から芽が出て花が咲いたり……どんどん変化していく。自然の四季を表しているのだそう。

自然と文明のつながりを表現したアート空間 ボルボとチームラボがコラボ
右手前が「生命は生命の力で生きているⅡ」という作品(新作)

「自分と環境は不二。二つに見えても実際は一つであり、切り離せない、という点に注目しました」。現場で、チームラボの広報担当者が説明してくれた。「ボルボが外側から空間に入ってきたように見せているのは、分断の壁を壊し、自然も文明も、連続的でつながっているという表現」だそうだ。

照明を劇的に使う作品がほとんどなので、開催時間は日没から。ホテル内の敷地と思ってあなどっていると、先述したとおり50万平米もあるうえに、足場がよくないところもあり(そこがまたおもしろい)、歩いて回るのに多少苦労するかもしれない。苦労するから、自然を重要なテーマとした、このアート展の真価が味わえるのだが。

私が武雄でドライブしたのは、ボルボのSUV「XC60 B6 AWD R-Design」。全長4690ミリ、全高1660ミリのボディーを持つSUVだ。2リッター4気筒ガソリンエンジンと、フルタイム4WDシステムを持つ。

グロスブラックのアクセントが要所要所を“締めて”いるR-Design
グロスブラックのアクセントが要所要所を“締めて”いるR-Design

パワフルさが売りもののモデルで、エンジンには電動スーパーチャージャーとターボチャージャーが備わる。スーパーチャージャーは低めのエンジン回転域で、ターボチャージャーは高めの回転域で、エンジンパワーを補う働きを担う。

加えて、小さな電気モーターを備えている。発進や加速の、エンジンだとトルク不足を感じるとき、モーターが回って力を補うのだ。XC60には、最高出力184kW(250ps)、最大トルク350Nmの「B5」と、220kW(300ps)、420Nmの、今回の「B6」がそろう。同時に、燃費のためのシステムでもある。B6だとリッター11.1キロ(実燃費と同等のWLTCモード)という。

後席も広い余裕あるサイズのSUVとして人気のXC60
後席も広い余裕あるサイズのSUVとして人気のXC60

高速では、期待以上ともいえるハイパワーを堪能させてくれる。アクセルペダルの踏み込みに対して、即座に反応して加速するのは、さすがマイルドハイブリッドと言いたい。そして2基の過給器がしっかり“仕事”をしてくれるので、加速の力強さはたいへん印象的だ。

速いだけの“直線番長”ではなく、ステアリングホイールを操作したときの車体の動きはデリケートで、車体の動きは丁寧にという感じでコントロールしてくれる。なので例えばカーブを曲がるのが楽しい。思った方向に、しゅっとノーズを向け、次にアクセルペダルを踏み込むと、すかさず加速する。この一連の走りの印象は、XC60シリーズでベストではないかと思う。

ボルボXC60 B6はドライブが積極的に楽しめる
ボルボXC60 B6はドライブが積極的に楽しめる

R-Designはとりわけスポーティーな仕様で、21インチのホイールと組み合わされた扁平(へんぺい)タイヤ、専用のブラックグリル、専用のホールド性のいいシートが備わる。フルレザーではなくて身体を支える部分はファブリック素材。適度にたわんでくれるので座り心地がいいうえに、革より滑らないので疲れない。

このXC60 B6で、私は福岡空港と武雄を往復した。先に触れたように、100キロは言うに及ばず500キロ程度なら疲れしらずで走れそうなモデルなので、楽しいドライブだった。そして、今回の御船山楽園に加えて、武雄の街を回った。

武雄には、おもしろい場所がある。代表的なものは、樹齢3000年以上で、日本の巨木第7位の大楠を神木とする奈良時代創建の武雄神社。この大楠は「神木」と題され、21年に「ボルボ チームラボ かみさまがすまう森」における新作として発表されている。

武雄神社の神木になっている樹齢3000年の大楠に向かって歩いていく速度で聞こえる音楽が変わっていく「神木」(新作)
武雄神社の神木になっている樹齢3000年の大楠に向かって歩いていく速度で聞こえる音楽が変わっていく「神木」(新作)

もう一つは、武雄温泉。入り口には「楼門(ろうもん)」と呼ばれる「竜宮城」(武雄市観光協会のホームページ上の表現)のような、個性的な形状の門がある。東京駅(1914年竣工)で知られる辰野金吾の設計で、翌15年に落成したものだ。

弱アルカリ性の単純泉である武雄温泉の楼門前にて
弱アルカリ性の単純泉である武雄温泉の楼門前にて

奥には、楼門同様、国の重要文化財指定の「武雄温泉新館」があり、こちらも見もの。やはり辰野金吾の設計だ。まるでおとぎ話に出てきそうな楼門に感心し、温泉の敷地に足を踏み入れると、色使いは華やかで、個性的な新館の建築という、もう一つの驚きが待っている仕掛けだ。しかも重文指定なのにクルマの横付けもオーケイという、おおらかさもよい。

重文の武雄温泉新館前でボルボXC60 B6
重文の武雄温泉新館前でボルボXC60 B6

「ボルボ チームラボ かみさまがすまう森」は2021年7月16日から11月7日まで。チケットは大人1200円(土日祝および8月13日、16日は1400円)、中高生800円、小学生600円。御船山楽園ホテルに泊まったほうが楽しめるが、ホテルはけっこう旧式だ(温泉は入る価値あり)。

【スペックス】
車名 ボルボXC60 B6 AWD R-Design
全長×全幅×全高 4690x1915x1660mm
1968cc直列4気筒 マイルドハイブリッド 全輪駆動
最高出力 220kW@5400rpm
最大トルク 420Nm@2100~4800rpm
燃費 11.1km@l(WLTC)
価格 799万円

(写真=筆者)

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