19歳ドラマー吉田れいとさん、TikTok LIVEがきっかけで恋愛番組に参加
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TikTokで、ドラムパフォーマンスを披露する吉田れいとさん。北海道を拠点にドラマーとして活動しています。華麗なスティックさばきと、プレイ中に時折見せる笑顔が印象的な19歳です。今回は、吉田さんに今までの自分とこれからの展望、そしてTikTokの可能性について語っていただきました。
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よしだ・れいと ドラマー、学生。中学3年生でドラムを始め、高校3年生から動画投稿をスタートさせる。活動の場はTikTok LIVEが中心で、2022年の春には恋愛番組にも出演。TikTokを通じて知り合ったバイオリニストとユニット「Resonance」を組んで、主に北海道で活動している。
「いつかTikTok LIVEを」きっかけは父の電子ドラム
吉田さんがドラムを始めたきっかけは、父親が知人から譲り受けた電子ドラムでした。
「なんかドコドコやってるなと思って、部屋をのぞいたら父がドラムを叩いていたんです。『俺の方ができるよ』って感じで張り合って叩き始めたら、思いのほか楽しくて続けることになりました。父は三日坊主でしたけれど」
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そこからはずっと独学。きちんと学ぶようになったのは今年の春、芸能系の学校に入学してからだそうです。
「それまでは本も読まず、聴いた曲に合わせて適当に叩いていただけ。ドラマーの方に教えていただいたことと言えば、スティックの回し方くらいでした。ちゃんと学ぶようになって半年が経ちますが、教えてもらうってめちゃめちゃ効率良いですね。入学当時は『3年間やって来たんだし、多少はできるかな』なんて思っていたけれど、全然ダメ。もう、赤ちゃん状態って感じでした」
授業などを含めると、1日におよそ3時間はドラムを叩いているという吉田さん。基礎が身についてからは、自分のドラムが明らかに変わったそうです。
「音符の種類から勉強するレベルでしたが、たとえばスティックの握り方なんかを教えてもらって練習すると、どんどん上達するのがわかるんです。音自体も変わりますし、疲れにくくなったり、格好良く叩けるようになったりするのも楽しんでいます」
TikTokに初めてアップしたのも、やはりドラムプレイの動画でした。4年前のことですが、そのときは4本ほど投稿しただけで終わり。しばらくは見るのが専門だったそうです。
「高3の夏、所属していた野球部の引退を機にTikTokを再開しました。最初のうちは“いいね”も90から100に届かないくらいでしたが、TikTok LIVEを配信できるようになるまでは頑張ろうと思って続けたんです(注:16歳以上で、一定数以上のフォロワーがいる人だけがTikTok LIVE配信可能)。フォロワー数が一定数あれば、ライブ配信機能が使えるようになるので、それまではって考えていました。見てもらえると自分の練習になるし、人の目があるとサボれないから一石二鳥だとも思ってました」
ABEMAから出演の誘い「うっそ〜!?ってなりました」
TikTok LIVE の配信を目指して毎日5〜6本のTikTok動画を投稿し、見事にその権利を得た吉田さん。それ以降、TikTok LIVEをメインに活動するようになったそうです。すると、このライブが思わぬ影響を及ぼしました。それは、ABEMAからの番組出演のオファーでした。
「ライブ中、コメント欄に『れいと君、恋リア出ないの?』とか、『出るならどの番組がいい?』という質問が来たので、『出るなら絶対“恋ステ”』って返したんです。そうしたら配信後、本物の“恋ステ”の担当者からオーディションのお誘いがダイレクトメールで届きました。『うっそ〜!?』ってなりました」
恋リアとは、本気で恋愛をしたい若者が出会ってデートを重ね、恋人関係になるまでを追った恋愛番組のこと。ABEMAの「恋ステ」は「恋リア」シリーズの一つで、「恋する♥週末ホームステイ」という番組名の略称です。音楽だけでなく、芸能活動にも大いに興味を持っていた吉田さんはオーディションの誘いを受け、そして採用されたそうです。
「『配信を見てくれていたんだ』とか『奇跡だ』とか、いろんな思いが込み上げてきました。『“恋ステ”って言っておいて良かった〜』とか。採用と聞いたときには『よし!』って感じになりました」
アニソンをドラムで 海外ファンから即反応「ブラザー!」
突然、目の前に広がった、恋愛番組という新たな世界。もしもTikTokを続けていなければ、縁がつながることはありませんでした。そして、「これからもっと力を入れていきたい」と語る音楽ユニット「Resonance」(レゾナンス)のメンバーと出会ったのも、実はTikTokでした。これもまた、TikTokが持つ可能性です。
「拡散力が魅力のTikTokですが、個人的には海外の人たちにもアプローチしやすいところにも可能性を感じます。たとえば、TikTok LIVEでアニソン(アニメソング)のドラムを叩くと、日本のアニメが好きな海外の方たちから『NARUTO、プリーズ』とか『ONE PIECE、プリーズ』なんてコメントが届くんです。それに応えてドラムを叩きまくったら、『ナイス!』とか『ブラザー!』なんて反応をしてくれて。だから、海外のファン、めちゃめちゃ増やせたんです」
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さらに、動画投稿が手軽にできることも、吉田さんがTikTokを気に入っているポイントのひとつだという。
「ほかのプラットフォームだと、スマホや別のカメラで撮った動画を編集してからアプリで投稿するので、動画作りと投稿の作業が完全に分かれているんです。でも、TikTokは撮影や編集、投稿が、一つのアプリの中で完結できる。ほかの人が投稿した動画にネタのヒントが転がっていることもあるので、ネタ探しから考えると一番簡潔に使いこなせるのがTikTokなんです」
ドラマーといえば「俺」 卒業前に知名度高めたい
吉田さんと話していると、何回も「もっと実力をつけたい」「知名度を高めたい」という言葉が出てきます。これは、真剣に将来を考えているからこその発言。
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「卒業後は音楽でごはんを食べていきたいと思っているので、少なくともそこらのプロドラマーよりは実力をつけていないと。でも、仕事をする上では知名度も必要だと思うんですよね。いくら実力がすごくても、名前が知られていなければ埋もれてしまうから。音楽活動をするなら、実力も知名度も高めて武器にしていかないといけないんです」
「卒業する前に、いかにファンを増やせるかが勝負だと思っています。実力でトップになるのは難しいかもしれないけれど、TikTokやSNSをうまく使えば、知名度はもっと高めていけるはずなので、いま持っているものを全部使い切りたい。容姿だってがんばって磨けばカッコ良くなれると思って努力しているし、服装や見た目にも気を遣っています。そうやって、いずれはみなさんからドラマーといえば『れいと』と思ってもらえるくらい、有名なドラマーとして活動したいですね」
知名度を高めるために、もっと視聴回数が伸びる動画を作りたい。そう考える吉田さんは、ファンの方たちによくアドバイスをもらっているそうです。
「ライブでみんなに『俺、どうしたら伸びると思う?』みたいな相談、めっちゃするんですよ。ちょっとみんな集合、みたいな感じで時間のある人に来てもらって。そうしたら、『○○のメドレーがいいんじゃない』なんてアイデアがもらえるんです。ファンだけれど、ほとんど仲間みたいな感じ。練習は一人でがんばれるけれど、投稿や配信は一人ではなくみんなで作っているつもりです」
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「応援してくれる人には第一に感謝で、第二にこれからも協力して欲しいと伝えたい。僕は将来、しっかり実力をつけて有名になる自信があります。後悔はさせないので、ぜひこれからも応援をよろしくお願いします、という気持ちですね」
そう語る吉田さんは、「僕は世界一、運がいい男」と思っているそうです。何も知らなければ大げさに聞こえるかもしれませんが、「恋ステ」出演の経緯を聞くと、あながち間違ってはいないとも感じます。TikTokが広げる、吉田さんの可能性。この先、どんな活躍を見せてくれるのか、5年後、10年後が楽しみでなりません。
その他の吉田れいとさんのTikTok動画はこちら
文:石川由紀子
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