人をつなぐ助け合いの輪 小山薫堂さんが感じた価値
東日本大震災から3月11日で12年を迎えました。あれから様々な自然災害が全国各地で発生しています。JA共済の「助け合いの輪」プロジェクトでは、放送作家の小山薫堂さんが被災した地域を訪れ、JAのライフアドバイザー(※)や組合員・利用者の皆さまから震災を乗り越えた経験や、地域への想い、JA共済が地域に果たす役割などを伺いました。
※ライフアドバイザーは組合員・利用者の皆さまの身近な存在として寄り添うJAの職員です。
「助け合いの輪」プロジェクトを振り返り、小山薫堂さんが想いをつづりました。
頼ることができる安心と、人に頼られる誇り
―「助け合いの輪」プロジェクトを振り返って 小山薫堂さんの想い―
3月11日は、日本という島国で暮らす私たちにとって特別な意味を持つ一日です。あの日から毎年、多くの人が3月11日に手を合わせ、被災地に心を寄せてきました。私もその一人ですが、今回、JA共済の「助け合いの輪」プロジェクトに参加させていただいたことで新しい想いが加わりました。
それは「備える」ことの価値です。今回出会ったJAのライフアドバイザーや組合員の皆さんのお話の中で共通していたのは「まさか」と「つながり」という言葉です。まさか自分が被災するとは思ってもみなかった。苦しい日々を乗り越えられたのは自分を支えてくれる人とつながっていたから……。
不慮の自然災害に備えるということは、物を準備しておくだけではなく、互いに支え合える仲間を見つけておくことなのだ、と改めて心に刻みました。
頼ることができるという安心と、人に頼られるという誇り。その共存が地域の強さとなり、明るい未来につながるのかも知れません。(小山薫堂)
こやま・くんどう/1964年熊本県生まれ。大学在学中から放送作家として活動を始め「カノッサの屈辱」「料理の鉄人」など数多くの番組を企画。初の映画脚本『おくりびと』で日本アカデミー賞最優秀脚本賞、 米アカデミー賞外国語映画賞を受賞。くまモンの生みの親としても知られる。
「助け合いの輪」プロジェクトで小山さんが伺った各地のJAのライフアドバイザーや組合員・利用者の方たちは、それぞれが抱く地域への想いを明かしました。
家族の絆と共に、愛する故郷の復興を目指す
東日本大震災の被災地である岩手県野田村では、家族の絆と共に愛する故郷の復興を目指す組合員の北田栄一さんが、復興に向けた想いを語りました。
「震災から復興するうえで、周りや地域での助け合いの大切さを痛感しました」
地域の方との信頼関係を、未来へとつなげていく
2018年の西日本豪雨において被害が大きかった岡山県倉敷市真備町。JAのライフアドバイザーの藤井陽平さんが、地域の方との信頼関係を未来へとつなげていくためにたくさんの方に寄り添っていました。
「ライフアドバイザーは地域の皆さんに安心を提供する仕事」と藤井さん。
自らも被災者として誰もが笑顔になれる未来を見据える
2016年の熊本地震で被災した熊本県益城町では、JAのライフアドバイザーの和田理歩さんが、自身も被災者として誰もが笑顔になれる未来を見据えて、地域の人たちと関わっていました。
「助け合いの輪の中で生活をしていけたらいいなと思っています」
和田さんは、目指す姿についてそう語りました。
人とのつながりの中で再び立ち上がった農家
益城町の組合員、河添登志子さんは熊本地震で家族と自宅を失い何も手につかない時期がありました。その時を振り返って語りました。
「元気でいさえすれば、なんとかなる。そう思えたのも、共済に加入していたおかげです」