暑くてもさらっとさわやかに　とうもろこしと肉団子のスープ

――　冷水先生、こんにちは。夏真っ盛りですね〜。いや〜、暑い！

冷水　本当に、暑い！（笑）

――　こうも暑いと夏バテで食欲が落ちてしまいがちです。何かさっぱり食べられて、でも元気が出るお料理はないものでしょうか……。

冷水　夏のお悩みですね……。つい冷たいものばかり食べてしまいがちですが、体を冷やしすぎるのも良くないですからね。

――　アイスとか素麺（そうめん）とか、食べたくなっちゃいますもん。

冷水　タンパク質や糖質をきちんと取らないと、エネルギー不足になってしまいますからね。

――　何か今が旬の夏野菜を使って、エネルギーがチャージできるメニューをお願いできますか？

冷水　わかりました！　夏野菜の中でもエネルギー源になるとうもろこしを使ったお料理がいいかなと思います。さらっと食べられるスープはどうですか？

――　とうもろこしのスープといえばポタージュが思い浮かびますが、夏はちょっと重たいような……。

冷水　いいえ、今回はポタージュではなく、とうもろこしの粒々を楽しむスープです。温かいスープですが、青唐辛子やライムを使ってさわやかで清涼感のある風味に仕上げようと思います。

――　いいですね！　食欲が出てきそうな気がします。

冷水　ではまずお肉の準備から。今日は豚ひき肉の肉団子を加えて、食べ応えを出しつつ、しっかりタンパク質を取れるようにします。

――　ひと皿でバランスよく栄養が摂れるのは、いいですね！　

冷水　ボウルに豚ひき肉を入れて塩を加え、よく練ります。こうすることで肉の繊維が壊れて、柔らかくなりますからね。豚肩ロースの薄切りを包丁で叩（たた）いてミンチにしてもいいですよ。そこにすり下ろしたショウガと酒を加えて混ぜます。そして、ここでご飯を加えます。

――　えっ、冷やご飯ですか！？　

冷水　はい、ご飯が入るとつぶつぶした食感が加わってリズムが出ますし、お肉の出汁（だし）を吸って、肉汁をキープしてくれるんです。もし余った冷やご飯があれば入れてください。もしなければ、入れなくても大丈夫です。

――　前日のご飯を少し残しておきます！

冷水　次にとうもろこしの準備です。包丁を使って芯から粒を外します。芯も使うので、捨てないで取っておいてくださいね。

――　はい！

冷水　パクチーはみじん切り、青唐辛子は半分にカット、万願寺唐辛子は小口切りにしておきます。

――　さわやかな香りと風味を運んでくる三銃士ですね！

冷水　鍋に水500 mℓととうもろこしの芯、青唐辛子を入れて火にかけます。芯からいい出汁が出ますのでね。そこに一口大に丸めた豚ひき肉の団子を加えて、10分ほど煮ます。10分経ったら芯を取り除いてください。

――　芯がいい仕事をするんですね〜。

冷水　芯を取り出したらとうもろこしの粒を加えて5分ほど煮ます。その後パクチーを加えてさっと煮てください。

――　とうもろこしの粒々が綺麗です！

冷水　次に小鍋に生クリームとチーズを入れて火にかけます。チーズが溶けたらOKです。スープを器に盛って、万願寺唐辛子を加え、クリームとチーズのソースをかけます。

――　わあ、ソースがかかると華やかですね。

冷水　お好みでくし形切りにしたライムを添えたら完成です。さあ、召し上がってみてください。

――　これは……、温かいスープなのに、なんだか涼やかな感じがします。不思議だ〜！

冷水　ふふふ、きっと例の“さわやか三銃士”のおかげですね。

――　パクチーの香り、青唐辛子のピリッとした刺激が心地よくて、とうもろこしのつぶつぶ食感もリズムよく、これは楽しいスープですね。とうもろこしだけだと甘さが立ってしまいがちですが、青唐辛子がそこをキュッと引き締めてくれているような感じがします。大人っぽいとうもろこしの味わい方だな〜。

冷水　ライムを絞るとまた違った風味になりますよ。

――　おお……ライムが入ると一気に異国情緒が高まりますね。これは暑い日にぴったりです。

冷水　ポタージュもおいしいですが、たまにはこういうのもいいでしょう？

――　最後に加えた生クリームとチーズのソースが、ちょうどいい塩梅（あんばい）でコクをプラスしてくれているので、満足感もあります。本当に全てのバランスが絶妙で、脱帽です！

冷水　よかったです（笑）。ぜひ暑い夏の間に試してみてください。

とうもろこしと肉団子のスープ