フォルクスワーゲン「ID. BUZZ」はガイシャ感のあるミニバン 実用性高く力強い走り
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「ガイシャ感」って言葉が、むかしはあった。いまはほぼ死語。ファッションも音楽も料理も、内外の要素が混ざり合い、国境はなくなりつつある。と、思いませんか?
そんななか、ガイシャ感が強いクルマも少しある。ジャンルは、トランスポーターやミニバン。ルノー・カングー、プジョー・リフター、シトロエン・ベルランゴ、フィアット・ドブロなどだ。
背が高く、横幅の広いキャビンが特徴で、ロングホイールベース版もある。本国では商用版がメインで、機能主義が徹底している。日本に入っているのは乗用車版。ぜいたくさは皆無だけれど、シンプルなグッドデザインだ。アルバ・アアルトのストールとか、仏ストウブ社の鍋とか、あちらの日用品と、どこかでつながっている生活感覚がある。
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商用車部門が開発 広い室内のピュアEV
もう1台、私が注目しているモデルがある。フォルクスワーゲンの日本法人が輸入を計画している「ID. BUZZ」(アイディー・バズ)というミニバンだ。このクルマの開発を担当したのは、VWの商用車部門。
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最初に私が乗ったのは、2022年のコペンハーゲンだった。モーターで後輪を駆動するバッテリー駆動のピュアEVで、エンジンや燃料タンクをもたないメリットを活かして、広い室内を実現していた。VWが最初にタイプ2というバンを送り出したのが1950年だから、ミニバンづくりにおいても、かなり経験ゆたかといえる。
2024年7月には、ラインナップに加えられた「ID. BUZZ GTX」にドイツで乗った。特徴は、パワフルな駆動用バッテリーをそなえ、前後輪をモーターで駆動する点。同時に追加されたのが、3列シートのロングホイールベース版。私がドライブしたのは、ID. BUZZ GTXロングホイールベースだ。
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標準ホイールベースが2989mmであるのに対して、ロングホイールベースは3239mm(標準ホイールベースのGTXもある)。駆動用バッテリーの容量は86kWhで、モーターのトータル出力は250kW(340ps)、最大トルクは560Nm。一充電あたりの走行距離は発表されていない。
大きなVWのロゴを掲げたフロントマスクは、つるっとなめらかで個性的な見掛けだ。今回ドイツで乗ったクルマは、シルバーとレッドの塗り分けがまるでウルトラマンのようだった。
全長は4962mm、全高は1927mmと余裕あるボディサイズだが、発進も加速もスムーズ。米国市場では、ロングホイールベースの3列仕様を欲しがっている、と2022年の時点でVWの開発担当者は話していたので、マーケットでは歓迎されそうだ。
大人数の移動に便利なロングホイールベース
じっさいに走りは力強い。車体の空気抵抗をあらわすCd値が0.29とかなり低いこともあり、ぐんぐんと速度が伸びていく。サスペンションの設定が硬めということもあり、高速での走行安定性は高い。快適志向のひとはシングルモーターがいいだろうし、ドライブじたいを楽しみたいならGTXが向いている。
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後席用ドアは電動スライド式。6人乗り仕様だと2列めにアームレスト付きのいわゆるキャプテンシートが2人分そなわり、その真ん中を通って3列めに容易にアクセスできる。3列目シートも180cmの人間が2人並んで座っていられる余裕がある。
大人数での移動には便利で、バッテリー駆動なのでトルクがたっぷりあって、扱いやすい。いっぽう、ロングホイールベース版は全長とともにホイールベースが長いので、日本の市街地ではややオーバーサイズ感があるかもしれない。まあ、標準ホイールベースと、用途に応じて選べれば、ユーザーにとってはベストだ。
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ID. BUZZの日本での販売は、2025年上半期が予定されている。ただし、シングルモーター、ツインモーターのGTX、標準ホイールベース、ロングホイールベース、どのモデルから導入されるかは、フォルクスワーゲングループジャパンは価格とともに「未定」としている。
【スペックス】
Volkswagen ID. BUZZ Standard(カッコ内はGTX Long Wheelbase)
全長×全幅×全高=4712(4962)×1985×1927mm
ホイールベース:2989(3239)mm
モーター1基 後輪駆動(モーター2基 全輪駆動)
バッテリー容量:82kW(86kW)
トータル出力:150kW(250kW)、最大トルク:310Nm(580Nm)
一充電あたり走行距離:423km(未発表)
日本での価格:未発表
写真=Wolfgang Grube/フォルクスワーゲングループジャパン
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