ドバイチョコレート、ドバイ・ファウンテン。ドバイの今を体験、知っているようで知らない世界一が集まる街

百聞は一見にしかず。仕事柄旅に出ることは多いが、毎度毎度この言葉が頭をよぎる。もちろん、たまにはがっかりすることもあるが、多くの場合、テレビやネットの情報だけでは得られない未知との出会いがある。昨年それを一番実感したのが、ドバイだった。ありがたいことに5日間の旅の機会に恵まれたが、行く前と今では印象がまるで違う。ハマってしまったというか。一度は訪れるべき旅先だと声を大にして言いたい。
取材協力:ドバイ経済観光庁
世界一が集結する都市、ドバイ
ドバイと言えば、何でも世界一、未来都市や富豪の街といった情報が先行し、人々の暮らしぶりや、積み重ねてきた歴史や文化についてのイメージは全くなかった。訪れたのは10月で、暑さのピークは過ぎたとはいえ、まだまだ猛暑の日中は空調の効いた屋内で過ごすのが一般的で、外で活動できるのは日の沈んだ夕刻から。確かに夕刻からドバイの街はファミリーやカップル、仲間同士で人々が繰り出し、一気に活気づく。

そんな夕刻からの一大スペクタクル、「ドバイ・ファウンテン」は相当な人気だった。ドバイ・モールに隣接する約12万平方メートルもの広さの人工湖ブルジュ・レイクで、光と音楽に合わせて繰り広げられる圧巻の噴水ショー。1回あたりおよそ8万3,000リットルの水を噴き出し、高さは140メートルに達する。


その噴水ショーをさらにゴージャスにしているのが、すぐ脇にそびえる世界で最も高い高層ビル「ブルジュ・ハリファ」のデジタルアートだ。エンパイア・ステート・ビルディングの2倍以上、東京タワーの2.5倍近い、828メートルという高さは想像をはるかに超える。その壁面全体が巨大なLEDビジョンになっているのだ。
ちなみに翌日ブルジュ・ハリファの122階のフレンチレストラン、「アトモスフィア・レストラン&ラウンジ」で朝食を食べたが、料理のおいしさもさることながら、ドバイの街並みを360度見渡すことができ、見たこともないスケールのスカイラインとアラビア湾の絶景に圧倒された。噴水にしても絶景にしても、常に世界一を目指すドバイならではのゴージャス感で、驚きの連続だ。


世界一自慢は、隣接するドバイ・モールも同様だ。広さ100万平方メートル以上、東京ドーム23個分の敷地面積を持ち、富裕層をターゲットにした世界の一流ラグジュアリーブランドから、ファストファッションや大型スーパー、食料品店や雑貨屋まで1,200軒を超える店舗と、数百軒の飲食店が軒を連ねる。無印良品、紀伊國屋書店などの日系企業も進出していて、ダイソーも現地に合わせた品ぞろえで楽しめた。ドバイ土産の定番のデーツは、扱っている店舗も多く、種類も豊富。なかでも「バティール」は、高品質のプレミアムデーツを扱う専門店で、グルメな人への手土産にうってつけだ。
モール内は、エンターテインメントやレジャー施設も充実していて、例えば、1階にはドバイ水族館&アンダーウォーター動物園がある。幅32メートル、高さ8.3メートルの世界最大級の水槽は、入場しなくても見ることができ、多くの人がショッピング中に足を止めて楽しんでいた。


ローカルの魅力がいっぱいのオールドドバイ
ゴージャスな世界一が集結する大都会とは対照的な、ローカルな雰囲気でいっぱいの旧市街地・オールドドバイがまたよかった。色とりどりのスパイスが所狭しと並ぶマーケットが、スパイススーク。なじみのものから、初めて聞く珍しいものまで、多種多様でカラフルなスパイスの山。高価なサフランは、最大の生産国イランが近く、上質なものが比較的安価で手に入るとあって特に人気が高いそう。


スパイススークを抜けると、今度は、金製品の専門店が軒を連ね、辺りが金で埋め尽くされたゴールドスークがある。ウィンドーのあまりの派手さに縁がなさそうに思いがちだが、“普段使い”しやすいリングやペンダントもあり、サイズ直しを頼んでも翌日ホテルまで届けてくれる店もある。実際ドバイに暮らしている日本人の女性も、スークで購入したペンダントを着けていて、みんなに大人気だった。ちなみに彼女のおすすめの店が「ペルシアン・ゴールド・アンド・ダイヤモンド」。メインの通りから、一本奥に入ったところにあり、アラビア文字でネームを入れてくれるサービスが人気だ。
旧市街へのアクセスには伝統的な木造船「アブラ」が便利だ。新旧市街を結ぶルートが2つあり、運河を挟んで対岸をつなぐ水上タクシーのような役割を果たしていて、クリーク沿いの4カ所の乗り場から、約150艘(そう)のアブラ船が数分おきに運航している。ちょうど日の入りの頃で、オレンジ色に染まる海が、エキゾチックな雰囲気を醸し出し、ノスタルジックな気持ちにさせた。



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