芸能人の政治発言、今もタブー? ファン意見割れ削除も
「役職定年」の年齢を過ぎても政府の判断で検察幹部にとどまれる検察庁法改正案について、俳優やミュージシャン、演出家らが抗議の思いを次々にツイートした。欧米に比べ、芸能人の政治的発言が少なかった日本で何が起きたのか。
「#検察庁法改正案に抗議します」。10日に急速に広がった投稿は、11日午後8時過ぎで680万件を超えた。「#(ハッシュタグ)」を付けた投稿は、検索するとまとめて閲覧できる。
俳優の城田優さんは「大事なことは、ちゃんと国民に説明してから、順序に則(のっと)って時間をかけて決めませんか?」とツイート。政府が法改正を急ぐことに疑問を呈した。演出家の宮本亞門さんも「コロナ禍の混乱の中、集中すべきは人の命。どうみても民主主義とはかけ離れた法案」と書き込んだ。「人事や捜査への政治介入を招く」と問題視され、俳優の小泉今日子さん、元格闘家の高田延彦さん、歌手のCharaさん、モデルの水原希子さんらも自身や事務所のアカウントで投稿し、法案への疑義を示した。
声上げやすい状況、でもまだ反発も
新型コロナウイルスの感染拡大で、緊急事態宣言や休校判断などの政治判断が注目されてきた。社会運動に詳しい立命館大学の富永京子准教授は、「様々な問題が可視化され、声を上げやすい状況が生まれている」とみる。東洋大学国際学部の横江公美教授(政治学)は「長期政権が変わらない今、『これだけは困る』という声をあげなければという国民の心理の表れではないか」と話す。
ただ、強い反発もある。歌手…