膝(ひざ)の関節の軟骨がすり減ったり、炎症が起きたりして出る膝の痛み。悪化して日常生活に支障が出たら、人工膝関節へ置き換える手術が治療の選択肢に入る。部分的な置き換えも含め国内で年約10万件行われている。2019年、支援ロボットを使う人工膝関節手術に公的医療保険が適用された。ロボットを導入する病院が増え、高精度の手術が可能になっている。
大阪府内に住む女性(75)は40代ごろから両膝に痛みが出て、脚をひきずるようにして歩くようになった。痛みをやわらげるヒアルロン酸注射を試したが、60代になると杖が必要になり、遠出も難しくなった。
19年、支援ロボットを使う人工膝関節手術に公的医療保険が適用されると、かかりつけ医から手術を勧められた。国内で最初に手術支援ロボットを導入した近畿大学病院(大阪府大阪狭山市)を受診。11月に右膝関節の全体を、20年4月に左膝関節を部分的に、人工膝関節に置き換える手術を赤木将男主任教授から受けた。
人工膝関節手術は、傷んだ関節の骨と軟骨を取り除き、骨を補う部分を金属に、軟骨をポリエチレンなどでできた人工関節に置き換える手術だ。
手術支援ロボットは、赤外線を反射させ、膝の位置情報をとらえる。医師が骨を適切に切除したり、人工関節を正確な位置に設置したりできるよう支援する。
国内では3社3機種が計約5…
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