みんなランドセルじゃなきゃだめ? 漫画家・渡辺ペコさんの疑問
百貨店などで、ランドセル売り場がにぎわう時期です。ランドセルは「小学校入学の象徴」である一方、その価格や重さを疑問視する声もあります。
ツイッターで我が子のランドセルに対するもやもやをつぶやいた漫画家の渡辺ペコさんと、子どもや保育、学校にまつわる取材経験の長いデジタル機動報道部の仲村和代次長が対談しました。話はランドセルにとどまらず、細かなルールが多い小学校生活や、子どもの意思と親はどう向き合うかといったことにも及びました。
<渡辺ペコさん> 漫画家。北海道生まれ。2004年、『透明少女』でデビュー。夫婦とは何かを問いかけた話題作『1122(いいふうふ)』は累計135万部を超えている。モーニング・ツー(講談社)で『恋じゃねえから』を連載中。
【仲村】今年小学校に入学したお子さんのランドセル選びについて、「軽量化とうたわれているものでも重くて大きくて驚いた」「結局購入してしまったけど、保育園のときのリュックの方が幼児には使いやすく負担が少ないことは明らかなので全く納得いってない」とツイートされていました。
【渡辺】なるべく軽いものをと思って探したのですが、実物を見て驚きました。肩ひもにつける補助具がないと痛そうで、さらにそこに教材を入れるのでハラハラしています。地方では学校まで長時間歩く子もいて、負担ではないでしょうか。
【仲村】大きなランドセルに加え、給食バッグや、最近はコロナ対策で水筒も持って行きますよね。
【渡辺】荷物が多くて、子どもらしい自由な動きが制限されているように感じます。
先日遠足があって、保育園の時に使っていたリュックを持って行ったのですが、すごく動きが軽やかで、見ていてぐっときてしまいました。
買い替え難しい価格
【仲村】ランドセルが高いという指摘もあります。ランドセル工業会の2022年の調査では、平均購入額は5万6千円を超えていました。
【渡辺】選んでいて、価格が高いことへの驚きや戸惑いはありましたね。
一方で、うちもそうでしたが、ランドセルは祖父母が買ってくれることが多いですよね。祖父母の気持ちがこもっていると思うと、ランドセルへの疑問は呈しにくい面がありました。
金銭的にも心情的にも、あれ?と思っても買い替えるのが難しいです。
ランドセル購入に疑問を抱きながらも「流されてしまった」という渡辺さん。どんな思いがあったのでしょうか。記事後半では、「みんなと同じ」が重視される学校現場への疑問も語っています。対談は、朝日新聞ポッドキャストでもお聞きいただけます。
【仲村】そもそもランドセルは…