第2回「愛のコリーダ」で助監督 崔洋一「警察が来た時の盾だったのかも」

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聞き手 編集委員・石飛徳樹
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 《若松プロダクションに出入りし始めてしばらく経った頃、若松孝二監督から電話があった》

映画監督の崔洋一さんが半生を振り返る連載「けんか上等の映画人生」。全3回の2回目です。

 「日本がひっくり返るようなことをやるぞ。お前、乗るか」と。何をするか聞く前に「やります」と即答しました。それが大島渚監督の「愛のコリーダ」でした。

 《若松がプロデューサー。俳優が実際に性交をする、日本で初めてのハードコアポルノだった》

 僕はチーフ助監督をやることになりました。警察が来た時に、僕を盾にするつもりだったのかもしれません。若ちゃんは「これで大金持ちになれる」とすっかりその気になっています。25歳が終わろうとする夏のことでした。

 大島さんに会いに行く前に若ちゃんがアドバイスをくれました。「お前はすぐインテリぶって議論を吹っかけたりするだろ。大島さんはそんな人間を一番嫌う。絶対ダメだぞ」と。「何を言ってやがる」と思いまして(笑)。「なぜ大島の次作がハードコアなのか、聞いてやる」と乗り込みました。

 「崔洋一です」と自己紹介す…

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