第3回中米ではゲリラから撃たれたことも 原広司がこだわった集落調査

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聞き手 編集委員・大西若人
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 1966年に欧米の近代建築を見て回ったとき、古い建築や集落の良さに触れ、建築史はこういう存在を省いているんじゃないかと気になり始めました。それで72年から集落調査を始めたんです。

 当時は最先端の研究をする東京大生産技術研究所の所属。なぜ古い集落なのかと言われましたが、公害問題もあり近代主義が疑われていた。だから集落なんだ、と。

 《地中海周辺に始まり、中南米や東欧など、79年の西アフリカまで5回の集落調査を行った》

 2~4カ月かけて調査し、メンバーは数人から12、13人。学生だけじゃなく、妻の若菜や事務所の所員がいたこともあります。国境を越える時なんかはよく捕まる。でもたいてい、軍に捕まったときは警察が、警察のときは軍が解放してくれる。一方で集落の人は大歓迎です。もっと泊まれとか、ご飯を食べろとか。ただ刺激し過ぎないよう長居は避けていました。

建築家の原広司さんが半生を振り返る連載「札幌ドーム 梅田スカイビル 建築に何が可能か」全4回の3回目です。

 中米ではゲリラみたいな連中…

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