ロシアでは9日、ウクライナ侵攻開始から2回目の対独戦勝記念日を迎えた。プーチン大統領は、モスクワ中心部の赤の広場であった大規模な軍事パレードで演説し、「再び我々の祖国に真の戦争が始められた」と強調。「米欧の野心や傲慢(ごうまん)さがウクライナ国民の悲劇を招いた」と述べ、ウクライナ侵攻の責任は米欧にあると訴えた。

 ロシアでウクライナ侵攻は「特別軍事作戦」と呼ばれ、「戦争」と呼ぶことは禁止されている。

 プーチン氏が「戦争」という言葉を使ったのは、侵攻の長期化をにらみ、国民に「戦時体制」への覚悟を植え付ける狙いがあるとみられる。

 一方で、プーチン氏は、ロシア側がウクライナが関与したと主張する、3日のクレムリンへのドローン(無人航空機)攻撃や具体的な戦況には触れなかった。

 目立ったのが米欧への批判だ。「誰が悪を撃退し、欧州の人々のために命を惜しまなかったのかを忘れている」と、ナチス・ドイツと戦ったソ連の功績を引き合いに、ロシアへの敬意を要求した。また、米欧が自らのルールを押しつけるために対立をあおっているとし、「彼らの目的は、我が国の破壊を達成し、第2次世界大戦の結果を消し去ることだ」などと批判した。

 一方で、「日本の軍国主義との戦いでの中国兵の功績に敬意を表す」とも述べ、経済分野などでロシア寄りの姿勢をとる中国への配慮を示した。

 赤の広場には、急きょ同盟国な…

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