種子島、バブルに沸く 「漁なんか出てられん」ホテル満室、家賃急騰

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小川詩織
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 九州の南に位置し、透き通るような青い海に囲まれた種子島

 鉄砲伝来の地として知られ、いまでは「世界一美しいロケット発射場」と呼ばれる種子島宇宙センターがあることでも有名だ。

 南北に60キロ弱、人口は2万7千人ほど。

 そんな島で最近、ホテルや旅館を予約しようとしても、どこも空きがなくて予約がとれない状態が続いている。

 新型ロケット「H3」の打ち上げを控えた今春も、打ち上げ関係者や大勢のロケットファンらが島外から集まることが予想されていたが、島内の宿泊施設はどこも満室。公園でテントを張って寝泊まりする観光客もいた。

 打ち上げに携わる宇宙航空研究開発機構(JAXA)の職員ですら宿の確保に苦労したといい、地元の鹿児島県南種子町の担当者は「JAXAからは、宿泊先として町の研修施設を利用できないかと要望があった」と話す。

 島が始まって以来のバブル――。

 種子島はいま、そう言われている。

 ホテルが満室となっているだけでなく、賃貸の住宅や事務所の家賃が急に上がり、空き地や野原に次々と住宅が建つ。

 4月上旬には島内で唯一のファストフード店となる「モスバーガー」がオープンし、開店初日から大勢の客でにぎわった。

 南の島がなぜ、「バブル」に沸いているのか。

日当8万円の仕事、漁に出なくなった漁師たち

 そのきっかけとなったのが…

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この記事を書いた人
小川詩織
デジタル企画報道部
専門・関心分野
宇宙・天文、気象・防災、海洋・船舶