ココイチ、「禁じ手」で挑んだ2度の値上げ 越えた客単価1千円の壁

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内藤尚志
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 ココイチの愛称で親しまれる外食チェーン「カレーハウス CoCo壱番屋」は昨年、2回にわたって主要メニューを値上げした。その結果、来店客1人あたりの支払額(客単価)は1千円を超えるようになった。

 ただ、来店客数は減っていない。客離れを食い止めたのは、長らく社内で「禁じ手」とされてきた策だった。

 「実をいうと……、戦々恐々でした」

 ココイチを運営する壱番屋(愛知県一宮市)の平尾康能・経営企画室長(54)は、そう打ち明ける。

 値上げの方針を固めたのは、2021年の秋ごろだった。食用油やチーズといった原材料の仕入れ先から、取引価格の引き上げを要請されたのがきっかけだ。

 主要メニューの値上げは、19年3月以来だった。主力のポークカレーを8割の店舗で21円上げ、東京23区では税込みで505円になった。値上げ後、客足は遠のいた。

20年前の苦い経験

 ココイチの店舗の9割は、別…

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この記事を書いた人
内藤尚志
経済部
専門・関心分野
雇用・労働、企業統治(ガバナンス)、経済政策