来年1月の台湾総統選で、中国と距離を置く与党・民進党の頼清徳(ライチントー)副総統(64)が21日、選管に立候補を届け出た。「台湾は事実上の独立国で中国の一部ではない」と唱え、蔡英文(ツァイインウェン)政権の親米路線の継続を掲げる。一方、いったんは統一候補を立てることで合意した野党の協議は難航し、交渉が暗礁に乗り上げている。

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台湾の「平和的統一」を掲げる中国の習近平政権は、巨大市場を武器とした幾層もの働きかけを続けている。台湾側が「戦わずに台湾を奪う」ねらいだと警戒するその工作とは。台湾の現場から報告する。

 頼氏はペアで戦う副総統候補に、蔡氏に近く、米国人の母を持つ神戸生まれの蕭美琴・駐米代表(52)を選んだ。米政府の信頼を受ける蕭氏の起用で、米国でくすぶる自身の「独立派」イメージを和らげたい考えが透ける。頼氏は21日、「台湾人は親中路線に戻らない。世界に向けて穏やかに歩んでいく」と述べた。

 今回の総統選では、政権交代を…

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