宝塚歌劇団のモットーは「清く正しく美しく」。ただ、創設者である小林一三(いちぞう)の語録では、その前に「朗らかに」がつく。

 劇団員の女性(25)が亡くなって明らかになったのは、「朗らか」にはほど遠い過酷な労働の実態だった。

 「(組織図上は)線でつながってはいるが、(他のグループ会社とは)ちょっと違う。異質というよりも独立した存在だ」。運営する阪急電鉄の親会社、阪急阪神ホールディングス(HD)の関係者は、歌劇団の立ち位置について、そう解説する。

 電鉄の一部門に過ぎないのに、歌劇団は独自の理事会の下で業務遂行や意思決定を行ってきた。「独立」と言われるゆえんだ。

禁じられてきた「外部漏らし」

 「電車のおじさん」。歌劇団執行部や、組をまとめるプロデューサーなど中枢メンバーの多くを占める電鉄出身者のことを、一部の劇団員はそう呼ぶ。うかがえるのは、「独立」に加えて「溝」の深さだ。

 女性ばかり約400人で構成す…

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