千葉県勝浦市の太平洋に突き出た明神岬の一帯、荒波に浸食されたリアス海岸が続く。南房総国定公園の一部で、断崖や入り江が入り組み、木々や植物が岬の先端まで茂っている。2・3キロのハイキングコースが整備されており、名勝ポイントが複数ある。
大正時代、この地域を別荘地とする計画があり「鵜原(うばら)理想郷」と呼ばれてきた。1923(大正12)年には、現役大臣6人らを招いた大宴会も開かれた。しかし、この年に起きた関東大震災や金融恐慌の影響などでユートピア計画は頓挫した。
古くから文人墨客の心を捉えてきた。与謝野晶子はこの地に滞在して76首の歌を詠んだ。三島由紀夫は短編小説「岬にての物語」で美しい景観を絶賛した。
2018年には、手弱女平(た…