上瀬谷施設跡―瀬谷駅間に連節バス導入検討 「交通空白地帯」解消へ
【神奈川】横浜市が米軍上瀬谷通信施設跡地(瀬谷、旭区)付近と相鉄線瀬谷駅を結ぶ連節バスの導入を検討していることが、関係者への取材でわかった。跡地では2027年に国際園芸博覧会を開催後、テーマパークを建設する構想があるが、周辺には「交通空白地域」もあり、交通網の充実をはかる狙いがある。
市は国際園芸博の開幕に合わせて会場と瀬谷駅を結ぶ「新交通システム」の整備を計画していたが、事業参画を要請した市の第三セクター・横浜シーサイドラインが採算性などを理由に「参画しない」と回答。市は園芸博までの整備を断念し、再検討を進めてきた。
一方、跡地を含む市西部の環状4号線沿線には約22万人が住む。西部には大規模団地が複数あるものの、南北方向に結ぶ鉄道路線がなく、バスも走っていない交通空白地帯があることが課題になっていた。
関係者によると、今回市がまとめた計画では、瀬谷駅から跡地までの約2キロにトンネルを掘り、バス専用道路を整備。自動運転の連節バスが最大3台隊列をつくって走行し、多くの乗客を一度に運ぶことができるようにするという。
専用道を整備することで周辺の渋滞発生を避けられるほか、コストや建設期間も抑えられる利点もある。総事業費は約466億円を見込み、30年代前半の運行開始をめざす。
そのうえで複数の鉄道の駅とつなぐバスネットワークをつくり、「空白地域」の解消に取り組むという。
また、国際園芸博の会場周辺に東名高速道路と直結するインターチェンジ(IC)の設置もめざす。市は園芸博の会場跡地に公園を整備し、災害時に全国の消防や自衛隊を受け入れるベースキャンプとなる「広域応援活動拠点」とする方針で、IC新設でスムーズな輸送ができるようになるという。