中国で増える「結婚を選ばない」 価値観は多様化、経済的な不安も
北京=金順姫
中国で結婚するカップルが減り続けている。価値観の多様化に加え、子育ての経済的な負担への不安も要因だ。北京で開催中の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)では、政府活動報告に「出産、子育て、教育の負担を減らす」ことが盛り込まれた。政権の危機感は強いが、状況は簡単に変わりそうにない。
「女 1992年生まれ 身長1・6メートル 戸籍北京 修士」
「男 1988年生まれ、身長1・8メートル 北京に家あり車あり」
7日、北京中心部の中山公園には、こんな内容のA4大の紙が地べたにずらりと並べられていた。結婚相手を探している人の簡単な自己紹介や連絡先が記されていて、女性が多い。子どもの結婚を望む親らが紙をのぞきこんでいた。
日本と同じく中国でも出会いを求めて積極的にアプリを使う若者が増えているが、都市の公園でのこうした「マッチング」の風景はいまも珍しくない。37歳の息子の相手を探しにきたという母親は「息子がなかなか首をたてにふらない」と語る。少しでもいい条件の女性を見つけるために訪れたという。
中国の2022年の婚姻件数…