聞き手・鈴木彩子
子どもが0~2歳児期の家事は圧倒的に妻が担い、妻から夫への愛情は、出産後に急激に減り続ける。ベネッセコーポレーションが2011年に発表した調査結果は当時、「産後クライシス」として大きな話題を呼んだ。この10年で子育て夫婦の様相は変わってきたのか。雑誌「たまごクラブ」「ひよこクラブ」の統括編集長・米谷明子さんに聞いた。
――子育て中の夫婦の姿は、変化していますか。
コロナ禍を経て、この2、3年でものすごく潮目が変わったと感じています。
具体的には、読者アンケートにパパからの回答が寄せられるようになったり、オンラインの読者ヒアリング会にも、パパの参加が増えたりしています。明らかに変化したと思います。先日は、雑誌表紙の読者モデルの撮影に、育休中のパパが一人で赤ちゃんを連れて来られたケースもありました。
雑誌では、コロナ以前から、主語を「ママ」だけにせず「ママパパ」に変えてきていましたが、コロナになって、産後パパ育休制度も始まり、パパたちの当事者感が、がらりと変わりました。
――ただ、子どもが0~2歳で離婚する割合は、実は25年ほど変わっていません。なぜだと思いますか。
数字は同じでも、背景は違ってきているかもしれませんね。
厚生労働省の調査によると、ひとり親になった女性の4割は子どもが0~2歳のときに離婚しており、5歳までを合わせると6割にのぼるという。日本に「産後離婚」が多い理由は……。
2011年の調査が話題になっ…