安さとおいしさで、働く人の胃袋をつかんできた一品が、広島市中心部の路地裏の店にある。その名は「サービストンカツ」。430円。給料日前には注文が増えるという人気メニューの裏側に迫った。

 1956(昭和31)年創業の「肉のますゐ」は広島市中区八丁堀にある。百貨店や官公庁、オフィスが立ち並ぶ一帯だ。

 2階の座敷席に案内され、「サービストンカツ」を頼むと、5分ほどで2枚の皿が届いた。1枚には平らに盛られた白飯。もう1枚には、平べったいトンカツがポテトサラダとゆでキャベツに覆いかぶさっている。まるで布団のようだ。

 トンカツは揚げる前、肉に入れた切れ込みにそって広げてたたくのだという。こだわりのソースはトマトピューレがベース。牛タンや野菜を一緒に煮込んで仕上げる。甘めだがしつこくなく、キャベツのうまみも引き立てる。

「頼むけぇ、値上げせんで」の遺言

 トンカツをナイフで切り分け、…

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