第5回「2050年のスマホ普及率0%」日本メーカーはネオ・ガラパゴスへ

有料記事シン・ガラパゴス

田中奏子 中村建太 渡辺七海

シンガラパゴス⑤

スマートフォンは、私たちにこれほど身近な製品でありながら、もはや生産する国内メーカーは一握りになった。かつて、独自の進化をとげた「ガラケー」の世界は、どんな変化をたどり、この先、どこへ向かうのか。

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 2050年にスマートフォンの普及率は0%――。

 みずほ銀行産業調査部は22年、IT機器の将来展望を分析した調査報告書で、こんな大胆な未来予想図を描いた。

 50年にはインターネット上の仮想空間メタバース」が広く浸透し、コンタクトレンズ型の端末などが一般的になるという。スマホは40年ごろからIT機器の主役ではなくなり、50年にはパソコンとともに世界での普及率が0%になる可能性があると予測した。

 スマホ業界はいま、まさに過渡期にある。

 「市場は成熟化した。引いていく時期だった」

 昨年5月、京セラ社長の谷本秀夫は、自らを納得させるかのように、こう振り返った。

 「最強スマホ」と呼ばれる「…

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この記事を書いた人
中村建太
経済部|国土交通省担当
専門・関心分野
運輸政策・産業、ものづくり、地方格差