西日本豪雨の犠牲者供養にデニム作務衣奉納 岡山の会社が金剛峯寺に
大野博
岡山県井原市のデニム縫製会社「青木被服」の青木俊樹専務らが27日、和歌山県高野町の高野山真言宗総本山金剛峯寺を訪れ、デニム製の作務衣(さむえ)35着を奉納した。
デニムの産地として知られる井原市を含む岡山県南西部は、2018年7月の豪雨災害で大きな被害を受けた。作務衣の奉納には、災害で亡くなった人たちの七回忌の供養という意味合いを込めたという。当地の若手僧侶でつくる高野山真言宗備中青年教師会が仲介して実現した。
奉納された作務衣は濃紺色で綿100%。薄く軽い素材でしわになりにくく、色落ちもほとんどしないのが特徴という。
青木専務は「井原市を流れる小田川の水はミネラル分に富み、デニムを鮮やかに染め上げるのにマッチしている一方、災害をもたらすこともある。そんな光と影の両方を帯びていることに思いを致し、大切な素材を扱っているんだという自覚を新たにした」と話した。