圏央道ICと駅前立体通路 久喜市の大型事業で誤算相次ぐ

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佐藤純
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 埼玉県久喜市の大型公共事業で誤算が相次いでいる。事業を進める見通しが立たなくなったり、完成が大幅に遅れたり。関連する民間の動きにも影響が出そうだ。

 一つ目は、市内を通る圏央道にETCを備えた車専用の仮称「久喜東スマートインターチェンジ(IC)」を設置する計画。ここに来て雲行きがかなり怪しくなった。

 予定地は、圏央道の幸手ICの西5キロ、東北道と交わる久喜白岡ジャンクション(JCT)の東3・5キロの同市吉羽付近。

 民間主体の土地区画整理事業の構想と相まって、産業団地の誘致や交通の利便性を向上させることなどが狙いだ。今年度中に国の事業化採択を受け、久喜白岡JCT方面だけの出入りができるハーフICを2029年度に完成させる算段だった。民間側でもすでに準備が動き出しているという。

 市は国のスマートICの制度を活用し、66億円とはじいた総事業費の大半を国などに負担してもらい、市が払うのは1億円程度と見積もった。

 市によると、国土交通省などとの20年度以降の協議で事業費の削減を繰り返し求められた。だが現場は高架構造のため、地上に設置する場合より高額になる。将来、幸手IC方面も出入りできるようにすることを念頭に、広めの用地買収を想定したことも、額を押し上げた。

 市によると、昨年度、国交省から事業費の上限は40億円で事業化は難しいと指摘された。あわせて、スマートICとは別の「地域活性化IC」と呼ばれる制度を紹介された。

 こちらは東北道や関越道などの「高速自動車国道」が対象で、圏央道などの「自動車専用道路」は対象外。久喜東ICに適用するには制度変更が必要になる。市の負担も30億円以上と見込まれ、容易に捻出できない。

 国交省は地方自治体の負担のあり方を検討する姿勢を見せているものの、現状では、久喜東ICの実現は遠のいている。

 梅田修一市長は6月の市議会…

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