欧州で熱波、40度超えの暑い6月 水不足で観光客受け入れられず

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ブリュッセル=牛尾梓
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 気候温暖化などの影響から、欧州は今年6月の段階で、南欧を中心に40度を超える高温を記録し、深刻な水不足に陥っている。本格的な夏休みシーズンを前に、世界的な観光地が多い地域で、訪問客を受け入れられない事態にもなっている。

 ギリシャのアテネ国立天文台は1日、ギリシャ国内の6月の気温が、2010年以降最も高くなったと発表した。特に暑かったのが中部と、南部のペロポネソス半島で、例年6月の平均気温に比べて4・8度高かったという。13日にはクレタ島で、44・5度を記録した。

 パルテノン神殿がある首都アテネ中心部のアクロポリスでは、日中の暑い時間帯の一般公開が中止された。学校も一時休校になった。ロイター通信によると、ギリシャ国内では6月、英国のテレビ司会者も含め、少なくとも6人の観光客が熱中症などで亡くなったという。

 さらにアテネでは6月、複数の観測地点で一度も降雨が記録されなかった。ギリシャのミツォタキス首相は「深刻な水不足が起き、異例の強風が吹いている」とし、この夏は「特に危険」と注意を呼びかけている。

水道水まかなえず、入島を制限

 水不足は南欧の広い地域に広…

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この記事を書いた人
牛尾梓
欧州総局|欧州連合(EU)担当
専門・関心分野
国際政治、データジャーナリズム、AI、OSINT