「先生のしたい野球ってなに?」 東海大相模がひとつになったあの日

有料記事

手代木慶
[PR]

(19日、第106回全国高校野球選手権大会準々決勝 神奈川・東海大相模1―2東東京・関東第一)

 両チームが好守を連発する緊迫した試合展開だった。

 七回、相手の先頭打者で4番の高橋徹平に本塁打を打たれて先行を許した。九回にもさらに1点を加えられた。

 東海大相模は八回まで二塁を踏めなかった。

 だが、諦めなかった。

 九回、先頭打者の日賀琉斗(2年)が安打で出塁。1死の後、才田和空(3年)がバント安打で好機を広げた。次打者の失策の間に、1点を返した。さらに、3番打者の中村龍之介(2年)が四球を選び、2死一、二塁とした。

 打順は4番の金本貫汰(2年)へ。一打サヨナラの好機を迎えたが、左飛に倒れた。

 4強にはあと一歩、届かなかった。

1年前、チームはバラバラだった

 チームには、転機になった「1年前のあの日」のできごとがある。

 昨夏は神奈川大会の準決勝で、後に甲子園で全国制覇する慶応に六回コールドで敗れた。

 新チームは夏休み期間中に始動した。

 その直後の練習のことだった。シートノック中に、原俊介監督と選手らが激しい言い合いになった。

 「その判断は違うだろ!」

 「先生の言ってること、違わないですか?」

 はじめは、守備の連係について話し合っていたはずだった。しかし、気づけば「どんな野球がしたいか」という議論に変わっていた。

 現在の3年生は、前任の監督…

この記事は有料記事です。残り1543文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません