東京電力は、福島第一原発2号機の溶け落ちた核燃料(燃料デブリ)の試験的な取り出しを計画しています。そもそも、燃料デブリとは何なのか。取り出しにはどんな難しさがあるのか。解説します。
拡大するデブリの試験的取り出しのイメージ
Q 燃料デブリは、どういうものか。
A 福島第一原発は2011年3月の東日本大震災で被災し、原子炉の冷却設備が使えなくなった。運転中だった1~3号機は、核燃料が自ら出す熱で高温になり、溶け落ちる「メルトダウン」(炉心溶融)が発生。まわりの金属製の設備なども巻き込んで溶岩のようにドロドロになった。これが冷え固まったものが、燃料デブリだ。ただ、硬さや詳しい組成はわかっていない。
燃料デブリは非常に強い放射線を出す。19年の調査では、2号機の原子炉格納容器内の放射線量は毎時43グレイ(グレイはシーベルトに相当)で、数分もいればほとんどの人が死亡するほどの高さだった。
Q 燃料デブリは、どれぐらいあるの?
A 1~3号機で合わせると、…