県内外から海水浴客が集まる福井県の沿岸で、過去3年間に少なくとも53人が野生イルカにかまれたり体当たりされたりして負傷したことが、福井県警や敦賀海上保安部への取材でわかった。骨折など重傷もある。専門家は、背びれの傷の特徴などから「人なれした同一個体」の可能性が高いとみている。

 朝日新聞が県警や海上保安部の協力を得て記録を集計した。22年は7月24日~11月3日に21人、23年は5月28日~8月1日に12人、24年は7月21日~8月20日に20人が負傷した。通報しなかったり自分で病院に行ったりして記録に残らなかったケースもあり、実際の負傷者はさらに多いとみられる。

 記録によると、負傷の部位は手や腕が圧倒的に多く、53人中47人を占める。イルカをなでたり振り払ったりした時にかまれたケースが目立つ。24年8月4日には福井県敦賀市縄間の海岸で、愛知県の男性(66)が浅瀬に来たイルカの背びれをつかんで遊び、左手をかまれて全治10日間のケガをした。

負傷した状況を比べると、いくつかの傾向が見えてきます。記事後半には、53人の負傷状況の詳細データもあります。

 イルカは仲間との交流のために…

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