石木ダム建設予定地を川辺川ダム反対派が視察 「住民を分断」

上沢博之
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 石木ダム(長崎県川棚町)の建設予定地を、熊本県川辺川ダム建設に反対する市民団体のメンバー11人が2日、見学した。石木ダム建設に反対する川棚町議の炭谷猛さん(73)が、予定地で進む県道の付け替え道路工事の現場や、ダムに反対する住民らが座り込んで抗議や工事の監視をする小屋などを案内した。

 炭谷さんは「人口減少佐世保市の水需要は減り続けていて、石木ダムを造る必要はない。建設費は水道料金に上乗せされ市民の負担が重くなる」「予定地の地盤は弱くダム建設に適さない」などと説明した。

 川辺川ダムに反対している林通親さん(75)は予定地を見学して「こんな小さい川でダムができるのか、こんなのどかな里山をダム湖にしてしまうのかと、川辺川との風景の違いに驚いた」。

 二つのダム事業の共通点について「おかしいことがあっても一度言い出したら、あくまで造ろうとする行政の姿勢は同じ。住民の声を大切にしてほしい。ダムのような大きな公共工事は住民に分断をうみ、人口が流出して、さびれていく構図がみられる」と話した。

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