反省なき自民総裁候補ら 「統一教会」「裏金」で再調査回避の深刻さ
過去最多となる9人の候補者が立候補した自民党総裁選もいよいよ27日に投開票を迎え、新たな総裁が誕生することになる。
9氏による乱戦は、これまでのところ小泉進次郎元環境相、石破茂元幹事長、高市早苗経済安全保障相の3氏を軸に、決選投票まで決着がもつれ込む見通しとなっている。だが、予断は許されない。一寸先は闇だ。
かつて本命と目された注目候補が思いがけず失速し、敗北を喫したことがある。2012年の総裁選。野党自民党として政権奪還の先頭に立つリーダーを選ぶ重要な党首選だった。いずれも当時の肩書で、返り咲きを狙う安倍晋三元首相のほか、町村信孝元官房長官、石破茂前政調会長、石原伸晃幹事長、林芳正政調会長代理の5氏の構図で争われた。
当時、私は石破陣営の取材にあたったが、告示前から優勢とみられていたのは、森喜朗元首相ら党重鎮の信頼の厚い石原氏だった。しかし、幹事長という立場ながら現職の谷垣禎一総裁を再選断念に追い込んだ立候補の経緯がクローズアップされ、加えて、告示前のテレビ番組で失言を連発。原発事故の汚染土壌について「運ぶ所は福島原発の第一サティアンしかない」とオウム真理教施設の呼称を引用するなどし、選挙戦に入ってからも頼みの議員票が伸びず、1回目の投票で3位に沈んだ。
決選投票では安倍氏が石破氏を振り切り、総裁に返り咲いた。告示前、恥ずかしながら、私も含め、安倍氏の復権を予想した新聞記者はほとんどいなかったと記憶している。番狂わせであった。
今回の総裁選でも、世論の高…