第6回アラブ系でイスラエル人の私 困難な日常、胸に残る同僚医師の言葉

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医師のワリード・ファティールさん(27)

 私はアラブ系のベドウィン(遊牧民)でイスラエル人です。ユダヤ系が大多数のイスラエルで、アラブ系が生きる難しさは語り尽くせません。

 特にベドウィンは、イスラエル政府と土地の所有を巡って激しく争っています。しかし今年に入り、ベドウィンが強制的に立ち退きを強いられ、住居が壊されるケースが増えました。昨年10月のイスラム組織ハマスによる攻撃以降、アラブ系住民を「2級市民」と見なす差別的な潜在意識が、一部で顕在化しているように思います。

【連載】イスラエル・パレスチナ 市民の声 ガザ戦闘1年

 イスラム組織ハマスの奇襲と、イスラエル軍のパレスチナ自治区ガザへの攻撃開始から1年。イスラエル、パレスチナの市民はどんな体験をし、いま何を思うのでしょうか。様々な立場の人びとに語ってもらいました。

 実家があるイスラエル南部ラハトでは、警察による過度な職務質問が増えました。私も「お前らはテロリストだ」とすごまれたことがあります。

 ハマスの攻撃は確かにテロ行…

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この記事を書いた人
軽部理人
サンパウロ支局長|中南米担当
専門・関心分野
中南米の全分野、米国政治や外交
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