聞き手・照井琢見
76歳で亡くなった俳優の西田敏行さん。今月8日には「劇場版ドクターX FINAL」の完成報告会見にも登場していた。「ドクターX」の脚本家・中園ミホさんが取材に応じ、「私失敗しないので」の決めぜりふでおなじみの天才外科医・大門未知子(米倉涼子さん)に積年の恨みを抱く病院幹部でもある外科医・蛭間重勝役でみせた、西田さんの真骨頂について明かした。
今年8月に試写会でお会いしたのが最後になりました。その時は本当にお元気そうで、打ち上げも最後までいらして、米倉さんのお隣で、本当に楽しそうになさっていました。今日は本当にびっくりしてしまって。こんな形でお別れしてしまうのが嫌で、とても受け止めきれません。
西田さんが演じる蛭間重勝は、「ドクターX」のシーズン2から登場しました。当時はこんなに続くシリーズになると思っていなかったので、シーズンごとに登場する敵役の一人という位置づけだと思っていました。
でも、西田さんが本当に「ドクターX」の世界観をすごく楽しそうに演じてくださった。ちょっと「白い巨塔」をパロディーにしたような病院組織の感じとか。蛭間の魅力は大きかったと思います。
やっぱり「西田さんが出ているから見る」という男性の視聴者の方も多かった。組織の中で苦労してる方たちは、西田さん演じる蛭間と、遠藤憲一さん演じる「蛭間派」の部下・海老名敬との間にある上下関係に、とてもシンパシーを感じるらしくて。
「ドクターX」は女性が主人公の話ですけど、結構管理職のおじさんたちがたくさん見てくださっているんですよ。「居酒屋に行かないで、その日は早く帰って放送を見る」というお話も聞きました。本当に西田さんと、その周りの部下たちのおかげだと思います。
西田さんはアドリブの多い方で…