京都・泉涌寺に黒龍画を奉納 伝統工芸士の裕人礫翔さん
西崎啓太朗
秋の京都非公開文化財特別公開(京都古文化保存協会主催、朝日新聞社特別協力)で、皇室ゆかりの泉涌寺(せんにゅうじ)(京都市東山区)の舎利殿が9日から公開される。7日には、箔(はく)工芸作家で伝統工芸士の裕人礫翔(ひろとらくしょう)さん(62)の黒龍画が奉納された。12月1日まで本坊玄関で展示される。
裕人さんは西陣(上京区)を拠点に現代アートの創作や古い絵画の複製に取り組む。黒龍画は縦45センチ、横180センチ。江戸初期の絵師、狩野山雪(さんせつ)による舎利殿の龍の天井画をもとに、金箔(きんぱく)や銀箔で表現した。
裕人さんは「辰(たつ)年に龍の絵を奉納できてよかった。多くの人に見てもらいたい」と話した。泉涌寺の上村貞郎長老は「力を込めてつくられた作品なので大切に保管して活用したい」と語った。