米大統領選で、海外製の車への高関税導入を主張した共和党のドナルド・トランプ氏が当選を確実にしたことを受け、自動車大手マツダ(広島県府中町)の毛籠(もろ)勝弘社長は7日の会見で「米国の政策の優先順位や輪郭を吟味し、対応を決めていく」と述べた。同社の4~9月の世界での販売台数のうち、米国が3分の1を占めているという。

 トランプ氏は、自動車メーカーが工場を米国から外国に移すことで雇用が失われることなどを危惧し、「そのメーカーの車に100~200%の関税をかける」と述べ、保護主義的な政策の必要性を訴えていた。

 マツダが同日発表した2024年9月中間決算によると、上半期の販売台数は前年同期比2%増の63万台。なかでも米国での販売台数は16%増の21万3千台と、全体の3分の1を占めている。同社のメキシコ工場は、生産の6割が米国向けだ。

 毛籠社長は「(関税の問題は)個社で解決できる問題ではない。通商の問題、国と国の関わりの中で輪郭がはっきりしてくると思う。選挙中の発言そのもので対応を決めることはない」と説明。現段階では、影響を吟味することが必要としたうえで、「情報収集をして対応策を考えていく」と話した。(山中由睦)