政権側の「抱きつき戦略」と一枚岩になれない野党 不透明な政権運営
鈴木春香
30年ぶりの決選投票となった首相指名選挙で石破茂首相が再任され、第2次石破内閣が発足した。衆院で少数与党となり、当面は予算や法案の成立に野党の協力が欠かせなくなる。歩み寄る以外に道はない政権運営を見越して、野党は強気に政策実現を迫っていく考えだ。
11日午後の衆院本会議。決選投票までもつれ込んだ首相指名選挙の結果を受け、額賀福志郎議長が「石破茂君を内閣総理大臣に指名することに決まった」と宣言すると、首相は硬い表情のまま立ち上がり、4回頭を下げた。1回目の投票では、居眠りしているように下を向いたまま動かない数分間もあり、この日に至るまでの苦労を感じさせた。
衆院選で与党が過半数を割る状況になり、首相は野党の協力を引き出そうと、懸命に働きかけを続けてきた。
11日朝には、国民民主党の玉木雄一郎代表、立憲民主党の野田佳彦代表とそれぞれ会談。終了後、記者団の取材に応じた首相は「野党のみなさまのご意見を誠実に謙虚に承りながら、国民に見える形であらゆることの決定をしていきたいと申し上げた」と、最大限歩み寄っていく姿勢をアピールした。
少数与党が続く限り、自民・…