黒板に最後のメッセージ 跡地に学校再建計画、双葉中卒業生ら見納め

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大久保泰
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 東京電力福島第一原発の事故による全町避難に伴って使用できなくなった双葉町立双葉中学校。来年には校舎の解体が始まることから、最後の見学会が10月5、6の両日にあった。2日間で県内外から約200人が訪れ、東日本大震災の「あの日」の痕跡が残る校舎を目に焼き付けていた。

 JR双葉駅の南西約500メートルに3階建ての校舎ができたのは1978年。南相馬市の女性(59)は、卒業以来45年ぶりに校舎に入った。

 女性は、歩いて15分ほどの所にあった旧校舎から移った新校舎を鮮明に覚えていた。「まだ給食室ができていなくて1年間は弁当持参。プールも体育館もできていなくて、その度に旧校舎に行っていた」。その年の6月には宮城県沖地震が発生し、廊下の一部が通れなくなったこともあった。

「また会えるといいな」 書き記したその後、震災が襲った

 卒業式は完成したばかりの体…

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この記事を書いた人
大久保泰
南相馬支局長
専門・関心分野
気象・防災、地域活性化、漁業