ソウル=貝瀬秋彦、太田成美
韓国の尹錫悦(ユンソンニョル)大統領が3日夜、民主化後初となる「非常戒厳」の宣布に踏み切った。行き詰まる政権運営の局面打開を図ったとみられるが、結局は解除を余儀なくされ、さらなる窮地に追い込まれた。思惑が完全に裏目に出た形だ。
4日、今回の非常戒厳を尹氏に建議したと指摘される金竜顕(キムヨンヒョン)国防相が尹氏に辞意を伝えた。国防省によると、金氏は「国民に混乱を与え、心配をかけたことに対して責任を痛感し、申し訳ない」としているという。金氏をめぐっては、与党内からも解任を求める声が上がっていた。
4日午前には、大統領府の室長や首席秘書官らが一斉に辞意を表明するなど、「辞任ドミノ」も始まりつつある。
尹氏の「独善的」と指摘される…