岡山市内の県道で3日夕、横断歩道を渡っていた小学3年生の男児がはねられ重体になった事故を受け、岡山県警は6日、通学路にある横断歩道200カ所以上で緊急の一斉警戒活動を実施した。

 県警によると、6日も午前6時ごろ、倉敷市玉島八島の県道交差点の横断歩道上で、近くに住む女性(76)がトラックにはねられ、死亡する事故が起きた。6日夕方現在で、県内の交通事故死亡者は前年同期比10人増の55人。11人が道路横断中に亡くなった歩行者で、うち4人は横断歩道を渡っていた。

 岡山市北区大安寺南町2丁目の県道でこの日、岡山西署員やボランティアら10人が、横断歩道付近に立った。

 「左右を見て」「手をあげて」。署員らは近くの市立小学校に登校する児童らに声をかけて、安全確認の指導をしていた。

 同署の鎌田裕介交通官は「特に信号のない横断歩道では、近くに人がいる場合も渡るかもしれないと十分注意してほしい」と、運転側へも注意を呼びかけた。

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 岡山県警は、歩行中の小学生が遭った人身交通事故の過去10年分を分析し、結果を5日公表した。事故が発生した時期は12月が最多で、登下校中が全体の約4割に上っていた。

 交通企画課によると、2014~23年の人身交通事故の発生件数は6万8120件で、そのうち歩行中の小学生の事故は454件(454人)だった。1年生と4年生の女児計2人が死亡しており、重傷者は99人に上った。

 事故にあった小学生454人のうち登下校中だったのは178人で39.2%に上った。登校中が65人、下校中が113人だった。

 登下校中の事故178人のうち約4割の70人は横断歩道やその付近を横断していた。登下校中の事故のうち低学年(1~3年生)は119人(66.9%)に上った。登下校中の事故の原因としては「飛び出し」が31人と最も多く、このうち約9割が低学年だった。

 歩行中の小学生の事故454件の発生時期を月別でみると12月が49件で最多だった。49件のうち横断歩道やその付近を横断中だったケースは約4割にあたる21件だった。(北村浩貴)