虐待が疑われる家庭への立ち入りを模擬訓練 児相と県警が合同で
戸田拓
「怒鳴り声や子どもの泣き声が聞こえた」などの通報があった家屋に職員らが立ち入り、子どもを一時保護する児童虐待への対処訓練が9日、愛媛県松前町の県警察学校であった。児童相談所の職員や若手警察官など33人が参加した。
警察学校の敷地内にある木造2階建てを現場に見立て、臨検・捜索許可状がある場合とない場合の2通りの訓練をした。母親役と交際相手の男性役から別々に事情を聴き、保護対象の子どもに見立てた人形の体重や身長をはかりで計測するなど、本番に近い形で手順を確認した。
県警によると、年初から11月末までに、県警が児童相談所に「虐待の疑いがある」と通告した県内の児童数は1002人。約7割は、子どもの目の前で夫婦げんかをすることなどによる「心理的虐待」で、通告は長期的には増加傾向にあるという。
県警人身安全対策・少年課の川井浩平・少年事件課長補佐は「児童虐待は潜在化している。間違っていてもいいので積極的に通報してほしい」と話していた。