神奈川県南足柄市立向田(むかいだ)小学校の昇降口が市内産の木材を活用してリニューアルされ、報道各社に2日、公開された。ひとり1箱の木製げた箱が互い違いに並び、木のぬくもりを感じさせる空間が登場した。

 げた箱はスギやヒノキでつくられた一辺30センチの木箱で、横に渡した板にかけて使う着脱式だ。レイアウトを簡単に変えられ、サイズも大きくして長靴も入るようになるなど使い勝手がよくなった。柱や天井にも木を使い、事前のワークショップなどで出た児童たちのアイデアを採り入れた。児童らも伐採現場を見学したり、木箱の角を丸める作業を体験したりするなど、木に親しむ機会としても生かした。

 市は林業の活性化をめざし、公共施設での市内産木材の活用を進めている。その一環で、市立小学校の「昇降口木質化事業」を今年度からスタート。第1弾として向田小の二つの昇降口が木材を使って一新された。向田小のほか、南足柄小でも一部の昇降口が木質化された。同小の残りの昇降口や、他の三つの小学校でも来年度以降、木質化が進められる予定だ。(清水敬久)