ミュージカル界の星を生んだ、帝国劇場と「レ・ミゼラブル」の37年

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増田愛子
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 数々の大型ミュージカルを上演してきた東京・日比谷帝国劇場が来年2月、建て替えのため休館する。ミュージカル作品のラストを飾るのは、1987年の日本初演以来、再演を重ね、劇場と歩みを共にしてきた「レ・ミゼラブル」。全出演者をオーディションで選ぶことで新鮮な才能を発掘し、ミュージカル界を担うスターを生み出してきた作品だ。

出演者全てを公募でオーディション

 「『レ・ミゼラブル』は私のライフワーク。世界を広げてくれた作品です。帝劇のどんな場所にも思い出があります」。初演で悲恋の少女エポニーヌを演じた島田歌穂さんは、そう話す。

 東宝は初演にあたり、当時は珍しかった、誰でも受けられるオーディションを実施した。

 82年に初舞台を踏んだばかりだった島田さん。「参加することに意義があると思い、応募したんです。自分なんて受かるわけがないと思っていた」。約3千人の競争を勝ち抜き、役を射止めた。

 開幕までの道のりも異例だった。出演者は約9カ月間、歌やダンス、演技の技術を磨き、作品の背景について学ぶ授業「エコール」に参加。そのうえで稽古に臨んだ。「年齢、キャリアに関係なく素の自分を見せ合い、『みんなが主役』という空気を作ってくれた」と振り返る。

記事後半では、今回の公演に出演している生田絵梨花さん、佐藤隆紀さん、森公美子さんのお話も紹介しています。

 初演は大成功。島田さんは一…

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この記事を書いた人
増田愛子
文化部|演劇担当
専門・関心分野
歌舞伎、文楽、海外の演劇、公共劇場