上保晃平
拡大する岐路のひまわり 司法制度改革再考
暴風雪の朝だった。北海道中標津町にある梅本英広弁護士(54)の事務所に、女性が駆け込んできた。3人の子どもを連れている。夫の暴力に耐えかね、視界や路面状況の悪い中、車で数十キロを逃げてきたという。
15年ほど前のことだ。警察はまだ、家庭内のもめごとに踏み込まない「民事不介入」の姿勢が強かった。
「夫から捜索願を出されたら、連れ戻されてしまう」。そう考え、知り合いの町職員に支援を求めた。夫に先んじて警察に事情を説明し、女性や子どもたちを、一時的に避難するシェルターへ送り届けた。
北海道は、九州と四国の合計よ…