注目校に聞く
学校にメンズビオレの自販機 自ら「変なこと」に挑戦する青稜・青田校長の狙い(上)
2024.02.08
青稜中学・高校(東京都品川区)は、1995年に校名変更、女子校から共学化して30年近く経ち、“入学してから伸びる”共学の進学校として人気です。一方で、学校に男性化粧品の自動販売機を置いたり、デザイナーの藤原ヒロシ氏に制服のデザインを任せたりといった話題の主が、2020年に校長に就任した青田泰明先生。その発想の狙いや源泉を聞きました。(撮影/山本友来)
(あおた・やすひろ)1979年生まれ。慶応義塾大学法学部政治学科を卒業後、同大学院社会学研究科で教育社会学の研究に従事。青稜中学・高校に勤務後、2020年4月から学校長に就任。11年の東日本大震災以降は、被災地支援に取り組むNPO法人を立ち上げ、理事長も務める。
コロナ禍の危機意識がエンジンに
――校長としてはお若いですね。若さは武器になりますか。
今、44歳です。校長になった時には、全国でも1、2の若さだったと思います。
若いからメリットがあるというよりも、若い時は若さの武器があり、年齢を重ねていけばその時その時の武器があるというように、置かれた状況の中でやり方があると思います。自分という人間をきちんと理解してもらうこと、みんなのモチベーションを上げるために自分の若さをどう使うかということを、校長就任時にはよく考えました。
校長になったら、あれをやろう、これを始めようと準備をしていましたが、コロナですべてご破算になり、休校宣言が最初の仕事だったんですよ。卒業式は3月にできましたが、登校を再開できたのは7月で、そこでやっと生徒と対面。入学式は秋に実施して、ようやくウェルカムの気持ちを形にできました。