一色清の「このニュースって何?」
自民党総裁選が迫る → 総理大臣に世襲議員が多いのはなぜ?
2024.09.06

日々のニュースの中に「学び」のきっかけがあります。新聞を読みながら、テレビを見ながら、食卓やリビングでどう話しかけたら、わが子の知的好奇心にスイッチが入るでしょうか。ジャーナリストの一色清さんが毎週、保護者にヒントを教えます。(写真は、東京・永田町の自民党本部=2023年12月19日午前8時38分、岩下毅撮影)
戦後の首相の3分の1が世襲議員
自民党の総裁選挙がおこなわれ、9月27日に新総裁が決まります。この選挙はあくまで自民党のトップを決める選挙のため、自民党員・党友と自民党国会議員にしか投票権はありませんが、選ばれた人は国会での投票を経て内閣総理大臣になることが確実です。岸田文雄首相は総裁選に立候補しないことを表明していますので、この総裁選は日本の新しいリーダーを決める選挙になります。
この原稿を書いている9月上旬の時点で立候補を表明していたり意欲を示していたりする国会議員は12人います。立候補するためには20人の自民党国会議員の推薦人が必要なため、最終的に立候補にこぎつける人が何人いるかはまだはっきりしませんが、これまでになく多い候補者で争う総裁選になりそうです。
世論調査の結果などをみると、有力として名前が挙がっているのは、小泉進次郎氏、石破茂氏、河野太郎氏らです。それぞれ人気も実績もある政治家ですが、ちょっと気になるのは3人とも「親が国会議員」だということです。「親が国会議員」を世襲議員と定義すれば、3人とも世襲議員です。