国語のチカラ~入試に出た本、紹介します~
一昔前の作品に強くなろう 難関校でも出題 有島武郎著「碁石を呑んだ八っちゃん」
2024.09.18

今回は、有島武郎(ありしまたけお)「碁石を吞(の)んだ八っちゃん」についてお話しします。有島武郎の児童文学の中でも特に有名なのが「一房の葡萄(ぶどう)」でしょう。大手塾の教材にもなっており、読んだことのある受験生は多いと思います。「溺れかけた兄妹」も、栄光学園(2011年度)、筑波大付属駒場中学校(08年度)などで出題されました。
今回は、有島武郎(ありしまたけお)「碁石を吞(の)んだ八っちゃん」についてお話しします。有島武郎の児童文学の中でも特に有名なのが「一房の葡萄(ぶどう)」でしょう。大手塾の教材にもなっており、読んだことのある受験生は多いと思います。「溺れかけた兄妹」も、栄光学園中学校(2011年度)、筑波大付属駒場中学校(08年度)などで出題されました。
入試で扱われる機会が多いのが、今回ご紹介する「碁石を吞んだ八っちゃん」です。白百合学園中学校(06年度)、学習院女子中等科(09年度A)などで出題されましたが、今年度渋谷教育学園幕張中学校でも素材文になりました。青空文庫でも読めます。
この作品が発表されたのは100年ほど前です。こうした古い時代の作品が出題されると苦戦する傾向があります。今と習俗が違うし、言い回しなども少し異なるからでしょう。一文一文が長めであることも読みにくさの一因かもしれません。
古い作品になじむために
一昔前の作品に強くなるために必要なのは、読み慣れておくこと、予備知識を持っておくことです。たとえば、「丁稚奉公(でっちぼうこう)」など知識がないと何のことかわからないでしょう。学校制度も教科も異なります。現在では何かと迷惑がられる「煙草(たばこ)」も、昔の文学ではかっこいい大人を象徴する小道具のひとつになっていたりします。