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ものづくりが学べる! 家族専用LINEスタンプづくりのススメ

2024.11.19

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相川 いずみ
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LINEユーザーなら、誰もが一度は利用しているスタンプ。公式の「LINEスタンプメーカー」で、誰でも自分のオリジナルスタンプを簡単につくれることをご存じでしょうか? 自分で撮った写真や描いたイラストをもとにスタンプを作成し、そのまま販売申請までできます。
でも、「子どもの顔写真を使ったスタンプをみんなが買えちゃうの?」「フリー素材を使ってもいいの?」といった様々な疑問や心配もあるかと思います。そこで、今回はLINEスタンプのつくり方とあわせて、スタンプ作成時に注意したい著作権問題についても解説していきます。

絵が描けなくても大丈夫!誰でもスタンプがつくれるアプリ

今回使うのがINE公式のアプリ「LINEスタンプメーカー」です。アプリは無料で、iOS/Androidで使えます。

「LINEスタンプメーカー」をダウンロードしたら、現在自分が使っているLINEアカウントと「LINE Creators Market」を紐づけます。

ここが少しわかりづらいのですが、「LINEスタンプメーカー」はあくまでスタンプの作成と申請までを行うアプリで、それ以降の販売の管理は「LINE Creators Market」で行います。「LINE Creators Market」は、登録したスタンプ販売の管理や売上情報の確認などができる、クリエイター向けのサービスです。

「LINEスタンプメーカー」LINE/無料/iOS,Android。難しい設定や操作は必要なく、画面の指示に従っていけば、簡単に利用できます
「LINEスタンプメーカー」LINE/無料/iOS,Android。難しい設定や操作は必要なく、画面の指示に従っていけば、簡単に利用できます

素材を使って自分の好きなスタンプをつくってみる

「LINEスタンプメーカー」をインストールしたら、早速スタンプをつくっていきましょう。素材は、自分で描いたイラストや文字、撮影した写真など何でもOKです。作成には、次の2種類の方法があります。

1.「描く」からスタンプをつくる

「描く」を選ぶと、画像編集画面になります。ここで絵や文字を描いたり、テキストで文字を入力して好きな位置に配置したりします。

実際に描いてみると、手書きの機能はブラシの種類も一種類で、表現の幅が限られている印象でした。ただ、絵文字やふきだし、イラストなどの素材も用意されているため、絵を描くのが苦手な方は、これらの素材を組み合わせて使ってみるのがおススメです。

吹き出しとテキストを組み合わせたシンプルなスタンプ例。素材のイラストは色々な種類があります
吹き出しとテキストを組み合わせたシンプルなスタンプ例。素材のイラストは色々な種類があります

テキストだけでも、吹き出しと組み合わせると、それっぽいスタンプがすぐにできあがります。フォントも豊富なので、テキストの内容にあわせて変えてみるとよいでしょう。
最後に完成イメージ画面がでますので、OKでしたら「保存」を押せば完成です。

2.「写真」からスタンプをつくる

写真は、その場で撮影するか、スマホ内に保存されたものを使います。ほかのお絵描きアプリで描いたイラストを使う場合は、スクリーンショットなどでイラストを写真として保存しておきます。筆者は、このアプリ上では描きづらかったため、iPadのお絵描きアプリ「Tayasui Sketches」で絵を描き、そのスクリーンショットを素材として使いました。

素材にする写真やイラストを選んだら、フレームやフィルター、テキストなどの機能を使い、スタンプらしくアレンジして仕上げます。切り抜き機能もあるので、物や人物の写真を使うときにも便利です。

息子から母の日にもらった花の写真を使って「ありがとう」のスタンプに仕上げました
息子から母の日にもらった花の写真を使って「ありがとう」のスタンプに仕上げました

家族で話し合い、わが家専用のLINEスタンプを作成

わが家では、前々から家族専用のスタンプが欲しいと思っていたので、息子と一緒にスタンプづくりに挑戦してみました。まず家族のニーズを聞き、よく使うやり取りをピックアップしました。

・Googleカレンダーを定期的にチェックしてほしい
・DiscordのDMをちゃんと読んでほしい

このようなニーズがあったので、それに応えるスタンプをつくります。

「アプリのアイコンを入れたらわかりやすいけれど、それは避けたほうがよいよね」

「かわりに、視覚的にわかりやすいイラストを入れたり、色に凝ったりしてみようか」

こんなやり取りをしながら、出来上がったのがこちらです。

素材のイラストの吹き出しや目玉を活用してみました
素材のイラストの吹き出しや目玉を活用してみました

線を指で描いたため、かなり粗さはありますが、手づくり感が出ていて、これはこれでよいかなと思っています。ほかにも、「体操着を持ち帰ってほしい」「夕飯を食べるかどうか連絡してほしい」という母(筆者)の願いをスタンプにしました。これらはどれも家族用ということで「プライベート設定」「売上分配額なし」で申請を出しました。

写真やイラストを使う際には著作権に注意しよう

スタンプが出来上がったら、次はいよいよ審査の申請を行います。つくったスタンプはすべてLINEの審査が必要で、「スタンプ審査ガイドライン」に適していると判断されたもののみ、販売が許可され、そこで初めてLINEスタンプとして使うことができます。審査の申請には、最低8種類の新しいスタンプが必要です。スタンプのタイトル、クリエイター名などを決めて、申請するスタンプを選んだら、販売価格を選択します。

ここで気を付けたいのが、「プライベート設定」「売上分配額」の2つの設定です。「プライベート設定」にすると、ショップの新着や検索にも表示されず、購入ページのURLを知っている人だけが購入できます。家族の写真を使っているなど、身内だけで使いたい場合は、プライベート設定にするとよいでしょう。

「売上分配額」は、「なし」にすると、スタンプの売上は自分に分配されませんが、自分のつくったスタンプを無料で使うことができます。「あり」の場合は、売上の50%が登録した口座に振り込まれるようになりますが、自分で使う場合でも、スタンプを購入する必要があります。一長一短ありますので、自分の目的に合わせて選択してください。

申請の際は、説明をよく確認し、設定を行ってください
申請の際は、説明をよく確認し、設定を行ってください

また、注意したいのが、使う写真やイラストの著作権を誰が持っているかです。LINEスタンプでは、以下のスタンプは販売ができません。

・自分が著作権を持っていないアイテム
・有名人などを模したイラスト
・文字だけのスタンプ(イラスト等と組み合わせれば可)
・写真に写った建物や物品の権利を侵害しているもの

例えば、フリーイラストとして有名な『いらすとやさん』は、LINEスタンプでの利用を許可していません。フリー素材を使用する場合でも、規約をよく確認してください。

今回、わが家用につくってみた最初のスタンプは、文字に製品名が入っていたため、「第三者の商標権、著作権、特許権、意匠権などの知的財産権を侵害し、または使用されている素材がサードパーティの利用条件に違反している」として審査が通りませんでした。その際、指摘された画像を修正して再度申請し、晴れてスタンプ販売となりました。息子と「なるほど。画像だけでなく、製品名などの名前も、権利侵害になるんだね」と話し、改めて著作権について考えるよい機会となりました。

わが家のスタンプ。つたなくても、自分でつくったスタンプを使えるのはうれしいものです。
わが家のスタンプ。つたなくても、自分でつくったスタンプを使えるのはうれしいものです。プライベート設定のため、家族にのみ販売ページを知らせることができます

「つくることって楽しい」を実感できる機会に

申請後、10日ほどで審査が終了し、審査が通った場合はショップで販売され、通常のスタンプのようにダウンロードして使えます。審査の日数はアイテムによって異なり、筆者の場合は、1~2日で審査結果が出ました。クリスマスなどの繁忙期は時間がかかるそうです。

つくったスタンプの管理は、最初に連携させた「LINE Creators Market」で行います。LINE STORE/ショップで販売開始したスタンプは、売上・統計情報などをダッシュボード上で確認ができます。

「LINE Creators Market」のマイページ画面。審査中のため、何もありませんが、販売後はここで集計を確認できます。
「LINE Creators Market」のマイページ画面

今回、実際につくってみると「LINEスタンプメーカー」を使うと、スタンプづくりの作成から審査までが非常に簡単で、「つくることの楽しさ」を体験できました。そして、簡単だからこそ、著作権侵害には気を付けなくてはいけないと感じました。

お子さんが描いた絵をスタンプにして楽しみ、さらにそれを実際に売ってみることで、お金を得ることの大変さを、親子で学ぶ機会にもなりそうです。ぜひ、みなさんも挑戦してみてください!

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