パスタ、鍋物よりも…受験生「理想のご飯」料理研究家のオススメは?

2023/05/28

■受験生応援レシピ

受験に向けて頑張る我が子。保護者としては毎日の食事作りで応援したいものです。高校生の娘を持つ、料理研究家の滝村雅晴さんに、受験生向けの料理のコツと、手軽においしく作れるレシピを聞きました。(写真=ビストロパパ提供)

受験生の食事は本人のペースで食べることを尊重

毎日、家族のために食事を作るという滝村さん。以前は家族そろって夕食をとっていましたが、娘が高校生になり、塾で帰宅が遅くなる日が増えたため、食事のとり方や作る料理が変わりました。

「できたてがおいしいパスタや、みんなでつつく鍋物などを出す機会が減り、温めたらすぐ食べられるものが増えました。そうすると、いつ帰ってきても、すぐにおいしく食べてもらえますから」

高校生になれば、塾や部活動で、生活時間に自分のペースができます。食事も親がすべてコントロールするのではなく、子ども自身が食べたいタイミングで食べたいものを食べるのがいい、と滝村さんは言います。

「先日も、塾から帰った娘に『今日はチキンカツを作ったよ』と言ったら、前日の残りのカレーと組み合わせてカツカレーにしていました。高校3年生にもなれば、食事に関してもある程度の自主性を持てるほうが、受験も乗り越えられるのではないでしょうか

大学受験に関しては、本人の意思を尊重して口出しはしないという滝村さんですが、本人に任せるだけではなく、「学校の三者面談で、先生に質問ができるくらいの情報を持っておくこと」を意識しています。そのためにも大切にしているのが、娘との食事の時間です。

「受験生になると、食事の時間くらいしか、話す機会がなかなかありません。改まって家族会議などをすると話しにくいことも、食べながらだと気軽に話せるような気がします」

冷めてもおいしいものを、塾帰りの夕食に

滝村さんが、受験生におすすめするメニューは「三色丼」です。

「鶏むね肉のそぼろと卵、季節の青菜を使った三食丼は、我が家の定番メニューです。夜遅く塾から帰ってきた子どもの夕食に、ご飯さえあれば自分でサッと用意して食べられるし、お弁当に入れてもいいですよ」

青菜のおひたしは、栄養価が高くて値段も安い旬の野菜を取り入れてほしい、と言います。

「春から初夏の季節ならば、ほうれん草、菜の花、小松菜、チンゲン菜、かぶの葉などがおすすめです。いんげんもいいですね。今回は私の住む町の伝統野菜で、春が旬の『のらぼう菜』を使いました。やわらかい食感で甘みがあり、青菜が苦手な子どもでも食べやすい。青菜はカルシウムや食物繊維が豊富なので、積極的に食べさせたい野菜です。生よりも、ゆでたほうがたくさん食べられます」

鶏むね肉には脳疲労を軽減させる効果があるといわれるイミダゾールジペプチドが、卵には記憶力を高めるアセチルコリンの原料となるコリンが多く含まれています。また、青菜に多く含まれるカルシウムは、骨や歯をつくる働きのほか、神経を安定させてイライラやストレスをやわらげる効果もあると言われています。三食丼は栄養バランスがよく、短時間で食べられて、まさに受験生にぴったりのメニューと言えそうです。

■レシピ

◎ビストロパパ式 基本の鶏そぼろ

<材料> 約4人分

鶏ひき肉(むね肉)…350g

[A] みりん…大さじ2 酒…大さじ2 てんさい糖(白砂糖)…大さじ2

しょうゆ…大さじ3

<作り方>

(1)鍋にひき肉と[A]を入れて菜箸4本で混ぜながら火にかける。混ぜ続けて火が通ってきたら、しょうゆを加えて煮る。

(2)中火で火を通しながら水分が少なくなったら出来上がり。

 

◎青菜のおひたし

<材料>

青菜(のらぼう菜)…1束 ゆでる水…適量 塩…小さじ1 しょうゆ…小さじ2~

<作り方>

(1)フライパンに水を入れ、沸騰したら塩を加え、青菜の根元から入れて火を通す。

(2)ザルにあげて水で洗って絞り、ざく切りにし、醤油を混ぜる。

 

◎卵そぼろ

<材料>

卵…3個 酒…大さじ1 てんさい糖(白砂糖)…大さじ1 塩…3つまみ

<作り方>

(1)ボウルに、卵、塩、てんさい糖、酒を入れて混ぜる。

(2)フライパンに流し入れ、菜箸4本でくるくる混ぜてそぼろになったら出来上がり。

 

■料理のコツ

「鶏そぼろは、火を通すときに砂糖とみりんで甘みをしっかりしみ込ませてから、しょうゆを入れるのが甘辛く仕上げるコツです。鶏そぼろが甘辛く、青菜がしょっぱいので、卵は少し甘みがあったほうが味のバランスがよく、食べ飽きません。お弁当に入れるときは、ご飯の上にお箸を置いてガイドラインにすると三色の境目がきれいな直線になり、見た目がきれいに仕上がります」(滝村さん)

(写真=ビストロパパ提供)

滝村雅晴(たきむら まさはる)/1970年京都府生まれ。立命館大学卒業。株式会社ビストロパパ代表取締役。長女の誕生をきっかけに料理に目覚め、家族のために作る料理を「パパ料理」と定義し、2009年に独立起業。男性の家事参画を通した女性の社会進出を進めるため全国で料理教室講師、講演、研修などの活動を始める。2020年からオンライン料理教室を毎週末開催中。著書に『ママと子どもに作ってあげたい パパごはん』(マガジンハウス)など。

 

(文=安藤彩紀)

 

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